23日のニューヨーク外国為替市場で対ドルの円相場が上昇し、一時1ドル=145円台前半をつけた。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が次回9月会合での利下げを強く示唆する発言をしたことで、ドルを売って円を買う動きが活発化した。
パウエル氏は米西部ワイオミング州ジャクソンホールで開かれた経済シンポジウムの講演で「政策調整の時が来た」と明言した。利下げ幅は明らかにしなかったものの、市場では「FRBが利下げに向けた強い意思を示した」と受け止められた。
FRBの利下げ観測が強まったことで、米長期金利は下落した。一方、日銀が7月会合で利上げに踏み切ったことで日本の長期金利は上昇傾向にある。
外為市場では金利の下がったドルを売って円を買う取引が拡大。円相場は講演前には1ドル=146円台前半で推移していたが、パウエル氏の発言後、一気に1円以上、円高に振れた。【ワシントン大久保渉】
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