(ブルームバーグ):20日朝の東京外国為替市場の円相場は1ドル=146円台半ばと、前日夕から水準を切り下げて推移。米国で株高を背景にリスク選好の売りにより円は東京市場での上げを縮めた。海外市場の流れから円は売られやすい半面、週末にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演と、日本銀行の植田和男総裁の衆参両院の閉会中審査を控えて方向感は定まりづらい。

19日の米国市場では長期金利が低下。サンフランシスコ連銀のデーリー総裁はインフレ抑制から利下げを検討する時期に来ているとの確信を深めたと発言。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は9月会合での利上げにオープンな姿勢を示した。ドルは主要16通貨に対しほぼ全面安となり、ブルームバーグ・ドル指数は3月以来の水準に低下。株は8日続伸し、投資家心理の改善で円は146円台後半まで売り戻された。

20日の東京市場では株高によりリスク環境が改善し、円は売られやすい。事業会社の決済が集中する五・十日(ごとおび)で、金融機関が外為取引の基準レートとする公示仲値の設定にかけて実需の円売りが強まる可能性もある。もっとも週末の植田日銀総裁やパウエルFRB議長の発言を見極めたいとの姿勢やボラティリティーの上昇により、低金利の円を売って高金利のドルを買うキャリー取引には慎重になりそうだ。

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