(ブルームバーグ):8月2週(13ー16日)の日本株は反発の見込み。米国の重要な経済指標の発表を控える中、米経済に対する過度な悲観が修正され、下げの反動が優勢になりそう。半面、ボラティリティーの高さや夏季休暇シーズンから積極的な買いは限られ、戻り売りも出やすい。

米国では13日に7月の生産者物価指数(PPI)、14日に消費者物価指数(CPI)、15日に小売売上高が発表される。ブルームバーグが集計したエコノミスト予想ではPPIは前月比0.2%上昇(前月は0.2%上昇)、CPIは食品とエネルギーを除くコアが同0.2%上昇(同0.1%上昇)、小売売上高は同0.3%増(同変わらず)が見込まれている。

雇用統計の発表後に米経済のリセッション(景気後退)懸念が高まったものの、新規失業保険申請件数の大幅減を受けて投資家心理は悲観からの揺り戻しが起きている。小売売上高が予想通り底堅さを示せば、一定の安心感が出る可能性がある。このほか、13日は米アトランタ連銀総裁、15日には米セントルイス連銀総裁などの講演も予定され、金融当局の景気認識を巡る発言も株価に影響しそう。

TOPIXと日経平均株価はともに5日、1987年のブラックマンデー時以来の下落率を記録。その後は戻り歩調にある。第1週のTOPIXは週間では2.1%安と4週続落しており、7月以降の下げに対する反動も出やすい。一方、高ボラティリティーが買い手控えにつながる面もある。国内では15日に4-6月期の国内総生産(GDP)速報値が発表される。

《市場関係者の見方》

三菱UFJアセットマネジメントの向吉善秀シニアエコノミスト

戻りを試すだろう。米国経済はソフトランディング(軟着陸)の可能性が高い。米物価指数がインフレ鈍化を示す内容となりそうな中、小売売上高や消費者心理などの指標でリセッション懸念が過度なものだと裏付けられれば、日本株も値を戻していく。国内GDPが強い結果となれば、金融株などに再び利上げ期待の買いが出てきてもおかしくない。

東海東京インテリジェンス・ラボの澤田遼太郎シニアアナリスト

何も出なければもう少し回復の余地がありそうだ。米国の経済指標がまずポイント。さらに今後利下げをするかどうかで、するならその幅がどうなるかだ。日本では決算発表がほぼ終わり、内容を再評価する動きがあってもいい。政策保有株の売却を進めている保険各社が売却資金で自社株買いをするかどうかも焦点だ。

--取材協力:横山桃花我妻綾.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。