霞が関の官庁街=東京都千代田区で、松田嘉徳撮影

 人事院は8日、2024年度の国家公務員一般職の月給を2・76%(1万1183円)、ボーナス(期末・勤勉手当)を0・1カ月分引き上げるよう、内閣と国会に勧告した。2%超のアップは1992年度以来、32年ぶり。初任給については額面では過去最大となる2万円超の引き上げを盛り込んだ。民間企業の賃上げが相次ぐ中、公務員も高水準の賃上げ率を確保し、優秀な人材の確保を図る狙いがある。

 月給・ボーナスともに引き上げを求めるのは3年連続。若手職員の処遇改善として初任給アップに重点を置き、一般職高卒12・8%(2万1400円)▽一般職大卒12・1%(2万3800円)▽総合職大卒14・6%(2万9300円)――と大幅な引き上げを勧告した。今後、関連法案が成立すれば、今年4月にさかのぼって適用する。

 多様な人材を確保しようと、管理職は職責重視の体系に刷新▽扶養手当の見直し▽通勤手当の引き上げ▽再任用職員への手当支給の拡大――なども盛り込んだ。また、育児と仕事の両立を目指し、年10日間の範囲で柔軟に休暇をとれるよう制度改正を求める意見書も提出した。

 人事院の担当者は「例年にはない大きな見直しだ。給与の官民較差の是正のみならず、多様で有為な人材確保に向けて施策を展開していく」と話した。【内田帆ノ佳】

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