(ブルームバーグ):8日の東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=145円台半ばに上昇。海外市場では日本銀行の内田真一副総裁のハト派発言を受けた円売りの流れが続いたが、日米の株式相場が下落する中、投資家心理の悪化による円売りポジションの巻き戻しが出ている。

日銀が追加利上げを決めた7月の金融政策決定会合の主な意見が発表され、想定内の内容だったため、相場への影響は限定的だ。

SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、円は予想外に早く145円台を付けたと述べ、「やはり株式市場が落ち着かないとドル・円も落ち着かない展開が続く」とみている。日銀の主な意見については「金融市場が混乱する前の見解で、内田副総裁の発言と対照的になるのは予想通り」と話した。

東京市場では引き続き日銀副総裁のハト派発言が円の重しとなる一方、日本株の下落を受けたリスク回避の円買いが入っている。恐怖指数と呼ばれる米国株のボラティリティー指数(VIX)は依然高水準と金融市場全体が落ち着いておらず、低金利の円を売って高金利通貨を買う円キャリー取引の巻き戻しも進みやすい。

7日は日銀の内田副総裁が市場が不安定な状況で利上げはしないと発言し、円は144円台から一時147円90銭まで2%超急落した。SBILMの上田氏は、7日のドル・円は上下に予想以上の値幅が生じたため、引き続きボラティリティーの高い状況を警戒する半面、「145円台がいったんの落ち着きどころになる可能性もある」との見方を示した。

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