歴史的な大暴落の反動で、日経平均株価は過去最大の上げ幅を記録しました。5日、平均株価が過去最大の下落幅を記録した東京株式市場ですが、6日は一転、取引開始直後から全面高の展開となりました。

このニュースについて、フジテレビ・智田裕一解説副委員長に聞きます。

2024年に入ってからの日経平均株価を見てみると、7月、史上最高値の4万2224円を付けたあと、ここ1カ月ほどで1万円を超えて値を下げて、年初からの上げ幅を5日までの時点で全部失ってしまいました。

そして、6日は一転して値上がりに転じて、過去最大の上昇幅を記録したというわけです。

乱高下の理由は、アメリカの景気に左右されているからなんです。
8月に入ってからの株価を見ていくと、先週後半に相次いで発表されたアメリカの一連の経済指標が悪い数字で、これまで順調に見えてきたアメリカ経済が想定以上に良くないんじゃないか、という心配が一気に強まったということなんです。

それによって、アメリカの株価が大きく下がって日本の株価も下がるという流れをたどりました。

そして6日に株価が急反発したのも、アメリカ景気についての見方が関係しています。

日本時間5日夜、新たに公表されたアメリカの経済指標が予想よりも良かったということで、警戒感が幾分和らぐ中で、5日までの株価の下げが行き過ぎなんじゃないかと見た投資家が多くの買いを入れた、というのが6日の背景だとみられています。

それに加えて、今回の一連の株価の乱高下には円高、円安も大きく影響しています。

7日以降については短期的には予想しづらいが、アメリカ経済がうまくいくという見通しがはっきりするまでは、投資家は身動きが取りにくいんではないかとみられています。

そんな中、アメリカの経済指標が引き続き注目されていて、近いところでは、現地時間8日の「新規の失業保険の件数」、そして14日の「7月の消費者物価指数」などが関心の的になっています。

――日本国民の生活には、どういった影響がでるのか?

株価が落ち込むと企業は金融市場を通じてお金を集めにくくなるため、賃金アップがしにくくなるということが考えられます。

そのため、賃上げで消費が上向く景気の好循環が実現できるかが、株式市場の今後の動きに左右される可能性があるというわけです。

――新NISAについてはどうか?

金融行政を担当している鈴木財務相が5日、新しく新NISAをきっかけに投資を始めた人を念頭に「相場が下落する中でも、長期積み立て、分散投資の重要性を考えて冷静に判断してもらいたい」と話しました。

新NISAがスタートして初めて株価が急落した局面ですが、自分の資産形成の考え方について、改めて今回を機に確認するきっかけにしてもいいかもしれません。

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