ホンダの三部敏宏社長と日産自動車の内田誠社長は1日、東京都内で記者会見し、電気自動車(EV)分野で検討していた両社の戦略提携の枠組みに、三菱自動車も加わることになると正式発表した。車載ソフトウエアの共通化などを念頭に協力関係を強化し、EV市場で先行する米テスラや中国勢に対抗する。
世界でEVシフトが加速する中、ガソリン車が中心の日本勢は出遅れていた。ホンダと日産は3月にEV分野の提携検討で合意。日産から34%超の出資を受ける三菱自を迎えることで体制を強化する。
ホンダの三部社長は会見で「個社では(ライバルの)背中を捉えることができない」と指摘し、3社提携で「今一度世界をリードできるような自動車会社になっていく」と強調した。資本提携に踏み込むかについては「可能性は否定するものでない」と述べた。
三菱自の加藤隆雄社長も談話を発表し「変化が激しい自動車業界で協業は不可欠。新たな可能性を見いだせると信じている」としている。
ホンダと日産は1日、SDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)と呼ばれる次世代車両に必要な車載基本ソフト(OS)などの共同研究を進めることでも合意したほか、OEM(相手先ブランドによる受託生産)供給など車両の相互補完関係を強めることでも一致した。
両社は今後、EVの駆動装置やバッテリーの仕様などの共通化を進めるほか、2028年以降にホンダが北米で生産を開始するEV向けバッテリーを日産に供給することも検討する。次世代車の要素技術についても1年後をめどに基礎研究を終え、量産化の可能性を探る方針だ。
EVを巡っては、トヨタ自動車も国内メーカーとの提携を進めており、国内勢は3社連合とトヨタ中心の2陣営に集約されることになる。【秋丸生帆、安藤龍朗】
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