【多良間】かん水設備がほとんどなく、今年は特に少雨が続く多良間村のサトウキビ栽培で、天然由来の超吸水性ポリマー開発を手がけるEFポリマー(恩納村)は5月から、ポリマーの有効性を実証する実験を進めている。「ポリマーを使うと葉の色が青々とし、背丈も高い。明らかに違いが出ている」。多良間村仲筋に畑を持つ農家の村山武範さん(63)は、従来の農法との生育の違いを指摘する。(宮古支局・當山学)

 ポリマーは果物の皮などが原料。粉または粒状で、水分を含むとゼリー状に膨らむ。保水性が高く、少雨で土壌が乾いた時には水分の供給源となる。

 株出し後に2メートル弱まで育った村山さんのキビ畑。その中の1区画で5月16日、10アール当たり2キロのポリマーを散布した。共にかん水なしの条件で、従来の農法の区画と2カ月後の生育状況を比べると、ポリマーありでは節の長さが2センチほど長かったという。

 「持っている機械で散布できる。少量ずつ落としていく調整が難しいが、1度まくだけなのでその後は楽だと思った」と村山さん。「かん水チューブを通すよりポリマーを使った方が生育が良いと思う。株出し栽培でここまで結果が出ているので、新植の時も試したい」と話した。

 多良間ではかん水設備を持たない農家が多く、今年は特に少雨で、サトウキビの葉が内側に反るロール現象が発生しているという。

 同社は沖縄本島や南大東村、鹿児島県徳之島で同様にサトウキビの実験を行っている。事業開発部の担当者は「他の作物と比べ、サトウキビはどの地域でも一番結果が出ている。今回の実験でさらに有効性を確認したい」と期待した。

(写図説明)ポリマーを使った区画(右)では、使わない区画(左)に比べ、サトウキビの背丈が高く葉も青々としている=18日、多良間村仲筋(いずれもEFポリマー提供)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。