25日の外国為替市場の円相場は対ドルで下落し、一時1ドル=160円40銭台を付けた。1986年12月以来、38年ぶりの安値水準となった。
米国のインフレ圧力が根強く、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が後退。米長期金利は4%台の高水準で推移し、1%前後の日本とは依然として大きな金利差がある。高金利のドルに資金が集まり、円が売られやすい状況が続いている。
政府・日銀は、1ドル=160円台を付けた4月から5月にかけて総額9・7兆円の円買い・ドル売りの為替介入に踏み切った。市場では今後、「政府・日銀がさらなる為替介入に踏み切ることがあり得るのではないか」と警戒する声も出ている。
一方、米財務省は20日、日本の対米貿易黒字などが大きくなったとして、日本を通貨政策の監視対象に再指定した。鈴木俊一財務相は「米国が日本の為替政策を問題視していることを意味するものではない」と述べた。【大久保渉、浅川大樹、加藤美穂子】
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