経団連の魚谷雅彦ダイバーシティ推進委員長(資生堂会長)が20日、東京都の日本記者クラブで記者会見し、経団連が今月10日に公表した選択的夫婦別姓制度の早期実現を求める提言の意義について語った。魚谷氏は「日本企業の事業展開がますますグローバルになる中、女性を含む多様な人材が一層活躍することが予測される。(制度実現は)先送りのできない最重要課題だ」と強調した。
魚谷氏は、企業が成長し、社会的責任を果たすためには「DEI」(多様性、公正性、包括性)の推進がとりわけ重要になっていると主張。その上で選択的夫婦別姓制度の実現は「我が国が、さまざまな価値観、多様性を包摂し、誰にとっても明るい未来、寛容な社会を目指していく上で、強力なメッセージになると確信をしている」と語った。
結婚時に改姓をするのは女性が約95%と圧倒的だ。魚谷氏は、提言をまとめるにあたって資生堂社内でヒアリングをしたという。その結果、若い男性の間では「女性側に改姓をしてもらうのが申し訳ない」と感じる人が増えていることが分かったといい、選択的夫婦別姓が実現すれば、男性のさらなる意識変革にもつながると訴えた。【町野幸】
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