鉄道ファンなどの間で“廃止か”と憶測が広がっていた「青春18きっぷ」。この夏も、従来通り発売されることがJR各社から発表されました。

東京駅を始発で出れば1日でどこまで行ける? 新大阪駅には14時8分着

上村彩子キャスター:
「青春18きっぷ」はJR全線の普通・快速列車に1日乗り放題の、5回(人)分の切符です。“5回”としているのは、1人が5回分使ってもいいですし、たとえば5人家族などで日帰りの旅行に使うことも可能だからです。

青春18きっぷという名前ですが、年齢制限はありません。こども・おとな同じ料金で1万2050円(1回あたり2410円)です。

JR各社が18日、2024年の夏の分の発売を正式に発表しました。発売期間は7月10日~8月31日で、利用期間は7月20日~9月10日となっています。

では、なぜ鉄道ファンが発売の発表に安堵したのでしょうか?

青春18きっぷの歴史は長く、1982年に発売開始です。当時は「青春18のびのびきっぷ」という名前でした。学生の学校の休みに合わせた、春季(3月~4月)、夏季(7月~9月)、冬(12月~1月)の期間限定のおトクなきっぷです。

有効期限は1人1回あたり、乗車日当日限りとなっていて、乗車した列車が0時を過ぎた場合、最初に停車する駅まで有効となっています。ただし東京・大阪の電車特定区間、たとえば山手線などは終電まで大丈夫ということです。

では、たとえば東海道線の始発である東京駅5時20分発なら乗り換えは何回で、何時に着くのか見てみましょう。名古屋駅までは乗り換え3回、11時13分着。新大阪駅までは乗り換え5回、14時8分着です。

九州までは行けませんが新山口駅までなら行けて、乗り換え10回、0時2分着。ちなみに新幹線のぞみ自由席なら、新山口駅までは4時間18分(2万470円)で行けます。やはり、青春18きっぷで行くと遠いということですね。

スポーツ心理学者(博士)田中ウルヴェ京さん:
青春18きっぷを使うのは交通手段ではなく、目的ですもんね。長くかかったって、それを楽しむということですもんね。

上村キャスター:
なるべく遠くに行く人もいますし、近くの路線でいろんな駅に降りてみるという使い方もあります。

そして青春18きっぷをめぐっては、鉄道ファンの間で廃止の憶測が広がっていました。その理由を見ていきましょう。

今冬や来年度以降の発売どうなる? JR東日本に聞いてみると…

上村キャスター:
青春18きっぷは近年、2月に春・夏・冬という1年分の案内の発表がありましたが、2024年は1月に春の分しか発表がなかったのです。夏・冬の発表がなかったことから、SNSでは「ひょっとして廃止…?」「廃止の噂が立ってるけどマジ?」など、“廃止説”の憶測が広まりました。

そのほか、こんな理由もありました。新幹線の延伸などで、乗車NG区間や途中下車NG区間が増えたこと。そしてJR各社からフリーパスや周遊券など、“おトクきっぷ”も続々と登場していることから「もしかしたら廃止なのではないか」という憶測が広がったのです。

では、なぜ2024年の夏の分の発表は18日になったのでしょうか?青春18きっぷは、JRグループでその都度協議した上で設定していて、詳細が決定次第お知らせすることにしているそうです。過去にも“各季ごと”に発表したことがあったので、特段珍しいことではないとJR東日本の方は言っていました。

冬の分の発表はまだありませんが、2024年の冬や2025年度以降はどうなるのでしょうか?JRグループで詳細が決定次第発表ということですが、JR東日本の広報担当部署の方によると「現時点で青春18きっぷを廃止する予定はありません」とのことなので、当面の間は安心できそうです。

井上キャスター:
JRとしては繁忙期が利用期間になりますし、利益を考えるとなかなか厳しいのかもわからないですが、値上げなども考えながら…。廃止は寂しいなと思いますけどね。

スポーツ心理学者(博士)田中ウルヴェ京さん:
やはり、あったものがなくなるのはちょっと寂しく感じますもんね。

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<プロフィール>
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト
慶應義塾大学特任准教授
アスリートの学び場「iMiA(イミア)」主宰

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