武田薬品工業・武田国男会長=大阪市中央区の同社で2006年12月8日、三村政司撮影

 武田薬品工業の創業家出身で、社長、会長を務めた武田国男(たけだ・くにお)さんが8日、老衰のため亡くなった。84歳。葬儀は家族で営んだ。お別れの会は遺志で行わない。

 1781年創業の武田薬品で、国男氏は6代目武田長兵衛氏の三男。1962年、武田薬品に入社し、93年に社長に就任した。成果主義を前面に出して海外展開を強化。医薬品事業に経営資源を集中するなど構造改革に取り組み、中核ではない事業の売却などを進めた。2001年度の連結決算で国内製薬企業として初めて売上高1兆円を達成。社長在任の10年間で営業利益を3倍以上に伸ばし、グローバル企業に育てた。02年には大胆な経営改革が評価され、毎日経済人賞を受賞した。

 03年に長谷川閑史氏に社長を譲り、会長に就任。創業家による世襲人事を終わらせた。経団連副会長や関経連副会長も務めた。

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