今が旬のタケノコ、実は「表と裏」があるということなんですが、今年はどっち。

■旬のタケノコ 収穫異変「少ない」

 千葉県の南部、大多喜町の山の中。地元農家が探しているのは、旬の「タケノコ」。町の特産です。

 みずみずしくてえぐみがなく、柔らかさが自慢だといいます。

君塚農園 君塚啓二園主
「これを早朝、暗いうちからやります」

 タケノコは朝早く、にょきにょきと育ち、わずか4時間でご覧の通り。収穫はスピード勝負です。

 ただ、そんな旬の味覚に、今年は異変が起きていました。

君塚農園 君塚啓二園主
「例年の10分の1程度。驚くくらい少ないです」

 収穫しようにも、タケノコがないと嘆きます。

■タケノコ不作 「道の駅」に行列

 町の名産の緊急事態。出荷先の道の駅は不作と聞き付け、人が殺到していました。

東京から来た人
「今年は少ないって言っているよね。タケノコが」
「不作らしいです」

 午前9時。オープンとともに争奪戦の始まり。皆さん、爆買いです。そば店を営む女性。2つのかごがいっぱいです。

そば店を営む女性
「柔らかいんですよ。これを天ぷらにすると皆さん喜ぶので使ってます」

■タケノコ不作 1本4500円も

 横浜から来た夫婦は、去年との違いを感じていました。

横浜から来た人
「例年だとこのぐらいの量でもちょっとサイズが大きい。今年はサイズが小さい」

 なにしろ、8日の入荷量は去年の半分以下。1キロの値段は去年より1000円ほど上がり、今年は2500円前後です。

買い物客
「4500円。アハハ、ちょっと買えないよね」

 それでも、旬の味覚。開店して4時間半で、ここのスペースにはタケノコは残っていません。

■タケノコ「表年」と「裏年」とは?

 そもそもなぜ、今年は町で不作なのでしょうか。地元農家は…。

君塚農園 君塚啓二園主
「表裏というが、今年は『裏年』に当たる。『裏年』というのは『ハズレ年』で、水量が少ない」

 実は、タケノコは豊作の「表」と、不作の「裏」があるといいます。

 不作の原因の一つが雨の少なさです。大多喜町は去年の夏、平年の7割ほどの降水量でした。

君塚農園 君塚啓二園主
「タケノコが芽吹くのが夏から秋にかけて。この時期に雨量が少ないと芽吹かない。去年、すごく雨が降らなくて田んぼも水確保が大変だった」

 ただ、こうした事態は各地で同時に起きているわけではありません。

 石川県は、去年は「裏年」で、出荷量は「表年」の半分以下でした。そのため、今年の豊作を神頼みするほど。すると…。

 今年は「当たり年」。去年15トンだった小松市の出荷量は…。

JA小松市たけのこ部会 橋本和也部会長
「今年は倍の30トンくらいを予定しております。えぐみのない甘いタケノコができました。ぜひ楽しんで下さい」

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