北京を訪問しているイエレン米財務長官=8日、ロイター

 北京を訪問しているイエレン米財務長官は8日、中国製の安価な電気自動車(EV)や太陽光パネルなどに対して、関税を引き上げる選択肢を排除しない考えを示した。バイデン政権は、中国政府による巨額の補助金で中国企業がEVなどのクリーンエネルギー製品を過剰生産していると問題視しており、厳しい対応を辞さない構えだ。

 中国政府で経済政策を担当する何立峰副首相ら高官との一連の会談を終え、米CNBCテレビのインタビューに答えた。

 中国の過剰生産問題を巡り「自国企業に多額の補助金を出し、赤字であっても支援している。この過剰な供給能力のため製品価格が暴落し、米企業を廃業に追い込むのは受け入れられない」と強調し、補助金の削減などに関して中国側と協議していく考えを示した。

 そのうえで中国が対応しない場合の関税引き上げについて「現時点では何も排除しない。すべてをテーブルの上に置いておく必要がある」と述べた。

 イエレン氏は「中国からの輸出が殺到し、自国企業の全滅を懸念しているのは我々だけではない」とも話し、欧州や日本も同じ懸念を抱いているとの認識を示した。

 米財務長官としてイエレン氏が訪中したのは2023年7月以来2度目。【ワシントン大久保渉】

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