日本銀行本店=2020年1月9日、松倉佑輔撮影

 7月3日に発行される新しいデザインの紙幣について、日銀は17日、本支店窓口で現在の紙幣からの単純交換には応じないと、ホームページで注意を呼びかけた。

 紙幣のデザイン刷新は2004年11月以来、約20年ぶり。1万円札には「日本の資本主義の父」と称される実業家の渋沢栄一、5000円札は津田塾大創始者の津田梅子、1000円札は破傷風の治療法を確立した微生物学者の北里柴三郎が描かれる。

 お札の正式名称は「日本銀行券」で、日銀が発行している。全国33カ所にある本支店で交換に応じるのは、汚れや破れなどがある場合に限られる。このため、故意に汚したり損傷させたりして日銀に持ち込んだ場合は「引き換えに応じられないほか、法令により罰せられる可能性もある」と注意を促している。

 新紙幣を入手するには民間金融機関の窓口や現金自動受払機(ATM)に行く必要がある。7月3日午前中には日銀から各金融機関に新紙幣が届けられる予定だが、具体的な対応についてメガバンクは「検討中」としている。

 新紙幣が発行された後も現在の紙幣はそのまま使える。日銀は、金融機関が預けた古い紙幣を回収し、新紙幣に徐々に切り替えていく。「現在の紙幣は使えなくなるので新しい紙幣と交換します」などと持ちかけて振り込みを促す詐欺などにも注意するよう、日銀は呼びかけている。【浅川大樹】

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