16日、突如として国産SNS「mixi2」のサービスがスタートした。初代「mixi」登場から20年を迎えたことでの記念プロジェクトと言われ、初代のファンも懐かしさからか、登録者数が増えている。mixi2は、フォローした人の投稿が時系列に並ぶタイムラインになっており、「X」などのSNSによくあるアルゴリズムを使った「おすすめ」などがない。また絵文字などで感情表現を込めたリアクションができる。初代からは「コミュニティ」「イベント」機能は残っているが「日記」「足あと機能」はなくなった。またXとの違いは、既存ユーザーから招待コードをもらう必要があること、また18歳未満が利用できないのは大きなポイントだ。
【映像】初代mixi、どんな機能があった?
『ABEMA Prime』では、仕事などで頻繁にXを使いつつ、最近ではすっかりmixi2の居心地のよさを体感している声優で番組ナレーターの榎本温子と、ITジャーナリストの三上洋氏を招き、mixi2の特徴や、今後の可能性について考えた。
■優しいSNS「mixi2」の特徴は
もともとmixiも利用していた榎本は「もう飛びついた。完全移住まではまだしていないが、見ている利用率的にはXのアイコンがあったところにmixi2を置いた」というほど、メインで使うSNSに据えたという。mixi2内では「X離れてみたらQOLあがっちゃってる気がするよ。あーこりゃこりゃ」とも投稿。すっかりSNSライフが様変わりした様子だ。Xにはない絵文字によるリアクションができるのも魅力だといい、また「リプライをする時に運営さんからのメッセージが出て『やさしい言葉で返信してください』というのが出た。我々が失ってしまったものはこれだ!と思って、より愛した。まだ数日だが、全力で推している」と、心温まる交流ができていることを喜んでいる。
mixi2誕生の経緯、特徴について三上氏は「mixiが20周年になるにあたって、何か新しいこと・面白いことをやろうというきっかけから、新しいSNSを作ろうということでやっている。ただポイントは、mixi2という名前は実はキーワードにしかなっていない。今回出てきたmixi2は、一言で言ってしまえば『いい時のTwitter』だ。シンプルなTwitter。今Twitterはアルゴリズムという、向こうが勝手にこれを表示しよう、これが人気あるもの、と勝手に表示している。でも時系列で自分がフォローした人の投稿が単純に並ぶというシンプルさ。これがmixi2だ」と解説した。
旧Twitterには、現Xのようなアルゴリズムによる「おすすめ」表示はなかった。「今も時系列で出すことはできるが、メインにどうしてもおすすめが出てしまう。(mixi2は)それほど難しい機能もないし、シンプルに使えるしということでウケている」と加えた。
「招待制」ということもあり、登録のハードルを感じる人も少なくなかったが、三上氏によれば、実質的には誰でも登録が可能だという。「私も最初、招待は有限なのかなと。例えばClubhouseは当時10人だった。その10人を誰にするかというのが当時問題だったが、今回やってみたら、私のリンクからいっぱい入る。結局2000人以上入ってしまった。結果分かったことは、これはほぼ無限であると。1日2000というリミットはあるみたいだが、ほぼ無限。なので、きっかけの人をフォローするというだけだ。mixi運営側によれば、きっかけの人をフォローするというところで最初の繋がりができる。そこから繋がりができればいいというコンセプトらしい」と説明した。
■気になる収益モデルは?
現在、XをはじめとするSNSは、単に個人同士が交流をはかるだけでなく、情報を取りに行くプラットフォームのような役割を果たしている。その中で、mixi2のユーザーは個人同士の温かい交流を求める雰囲気があるという。榎本は「情報が欲しい人はXの方がいいと思う。情報がいらない人、疲れている人にはmixi2。私はすごく疲れている。でも自分が例えばライブがあるという時に宣伝するのは今、Xしかない」と、仕事として必要なためにXを使い続けている。
また、Xを使う上でも単に投稿するだけではなく「なかなか届かないから、何度も同じ投稿をしなくてはいけない。アルゴリズムに勝たなくてはいけない。日々運用していないと、自分の投稿が上がっていかない。だから『おはよう』と言う。運用しているだけだ。本当はもうそんなことしたくない。mixi2でもうコミュニティを自分で作ったので、そこにお知らせがまとまっている場所になれば、みんなそこを見に来ればいいという状態にしたい」と述べた。
気になるのは収益モデルだ。現在、mixi2には広告が出ない。収益ポイントと思われる部分がないが、継続していくからには、何かしらの収益を得なければならない。三上氏は「今回、各社がmixiに取材をして収益モデルを聞いているが、未定としか言っていない。広告を出すようにするのか、それも未定だ。有料プランにするのか、それも未定だ、と。これは本当に20周年で作ったプロジェクト。本当にビジネスモデルとしてどうするかまでは正直考えていないのではないか」。
また榎本は「でもmixiにはゲームがある。ゲームで稼いで運営すればいい。当時『サンシャイン牧場』という究極の作業ゲームがあった。当時はブラウザゲームだったので、課金要素があまりなかった。ネットに課金するという感覚がまだない頃のゲームだったが、今出たら課金したいし支えたい。サンシャイン牧場がmixi2を支えるかもしれないと妄想している」と語った。
■中高生を取り込まない異例のSNS
20年前に誕生したmixiへの懐かしさもあり、mixi2への期待と注目が集まる中、三上氏は「mixiという名前をつけた時点で、インターネット老人会ホイホイだ」と表現した。「私もそうだが、mixiなの?と。最初のみんなの声も、足あと機能ないの?とみんな言ったりした。mixiというキーワードは実はホイホイだった」。一方で、年齢制限についてはSNSとしては画期的だ。「今回かなり特徴的なのが、18歳以上と限定した。中学生・高校生を最初からなしにしている。SNSのプラットフォームとしては異例中の異例だ。中高校生を押さえられないSNSが覇権を取れるわけがない。なので今回はどちらかというと、それはあくまで大人の、それからやさしいSNSを目指すというところで、もしかしたらこれが広がったら、新しいビジネスモデルだったり、もしくは少し形を変えて中高校生も参加できるようにするとか、そういうふうに発展する元になるのかなと思う」と述べた。
SNSに関しては、優しい言葉よりも、むしろ怒りなどの感情が出ている方が、反響が得られやすいという意見もある。榎本は「行動心理学に基づいてSNSは設計されていて、ニュースの見出しとかも刺激的なものにちょっとクリックしちゃうというのにアルゴリズムを組んでいるじゃないか。mixiが逆張りしている気がして『もうそれを全部やめます』みたいなことだと、そっちに快楽を感じるかなと今思っている。もうそれに人間が疲れているから、『ああ、もうそれを見たくない』と本能的に思っていてmixi2に流れるんじゃないかと私は思っている」と語った。 (『ABEMA Prime』より)
・【映像】初代mixi、どんな機能があった?・【映像】「性行為できない」結婚6年目のクリオネさん(30代女性)・若者の間で蔓延する「闇バイト」・八田容疑者の"祖父"が胸中語る「被害者遺族と話し合うつもりはない」・アバウトすぎ?小1の娘が算数の宿題で答えた“珍回答”が話題に鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。