阪急阪神ホールディングスの角和夫会長=大阪市北区で2021年8月18日、菱田諭士撮影

 阪急阪神ホールディングス(HD)は20日、角和夫会長(75)が同日付で退任すると発表した。「健康上の理由」としている。グループの最高経営責任者(CEO)なども外れるが、阪急電鉄の会長職は継続するという。

 角氏は2003年に阪急電鉄の社長に就任。06年、村上ファンドに株を大量保有された阪神電気鉄道との経営統合交渉で手腕を発揮し、阪急阪神HDの初代社長に就いた。14年からは会長となり、経営方針や戦略の決定で中心的な役割を担った。

 だが、23年に宝塚歌劇団の劇団員が死亡する問題が発生。遺族は上級生からのいじめやパワーハラスメントを主張し、運営する阪急電鉄や阪急阪神HDも厳しい批判を浴びた。ペンネームで曲を提供するなど、長く歌劇団に関わってきた角氏も宝塚音楽学校の理事長辞任に追い込まれた。

 6月のHDの株主総会では、角氏が歌劇団で起きた問題を謝罪。「退任すべきだ」という株主の声に「75歳なので近々辞退するが、来年まではこの体制でいかせていただく」と応じていた。【小坂剛志】

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