ホンダと日産自動車が、経営統合に向けた協議を進めていることが18日明らかになった。自動車業界は電気自動車(EV)へのシフトや、中国など新興勢力の参入で競争が激しくなっており、投資や技術開発で連携を深め、生き残りを図る。将来は日産傘下の三菱自動車が合流することも視野に入れる。実現すれば、世界販売台数は800万台超となり、世界有数の巨大自動車グループが誕生する。
経営統合は、持ち株会社を設立して両社が傘下に入る形式を想定している。
ホンダと日産は3月、EV事業などでの包括的協業に向けて検討を始めたと発表した。8月には次世代車両に必要な車載基本ソフト(OS)を巡る共同研究やOEM(相手先ブランドによる受託生産)供給など車両の相互補完関係を強めることで一致。この枠組みに三菱自も加わっていた。
自動車業界は、脱炭素化に伴うEVシフトのほか、人工知能(AI)を活用した自動運転技術の進展など100年に1度と言われる大変革期にある。
特にEVは米テスラや中国・比亜迪(BYD)など新興メーカーが台頭している。ホンダはハイブリッド車(HV)の販売が好調だが、世界最大の自動車市場の中国で販売が急減している。
日産は特に深刻で、中国での販売減などに加え、北米のHV販売でも苦戦し、業績が急速に悪化。11月には2026年度までに世界で9000人を削減し、生産能力を現状から20%削減するリストラ方針を明らかにした。
このため、ホンダと日産は、EVを中心とした協業からさらに踏み込み、経営統合による生産コストの低減や開発費用の確保を目指す考えと見られる。日産の経営再建につながるかも注目を集めそうだ。
ホンダと日産は18日午前、「各社の強みを持ち合い、将来的な協業についてさまざまな可能性を含めた検討を行っている」とそれぞれコメントした。【秋丸生帆、加藤結花、道永竜命】
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