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東京・池袋駅の地下街にある金券ショップ「J・market池袋東武ホープセンター店」。東京〜新大阪間の新幹線チケットは1枚500円引き。1万円分の図書カードは350円引き。ゴールデンウィークを目前に人気な、乗るほどお得な「片道きっぷ」もありました。

“推し活”のため…余生を楽しむため…大切な人に思いを伝えるため…人々の暮らしと心をちょっと豊かにする金券ショップを追跡しました。

■“ちょっとお得”金券ショップの魅力

金券ショップ この記事の写真

東京・池袋駅の地下街にある金券ショップ「J・market池袋東武ホープセンター店」。多い日には、およそ400人が訪れる人気店です。

2人分、往復2000円の節約 50代女性
「娘と推しのコンサートで。新幹線のチケットを買いました」

50代の女性は、東京−新大阪間の新幹線チケットを500円引きで購入。娘と2人分、往復で合計2000円の節約になります。

50代女性
「値段が安い分、他にまわせる」

節約できたお金は、推しのグッズ代に変身したとか。

1万円分の図書カード

年金暮らしだという60代の女性は、月に一度はやって来る常連だといいます。1万円分の図書カードを350円引きでゲットしました。

60代女性
「毎月2万円分くらい図書代に使うので、少しでもお安くなるように。文庫本1冊くらいは浮く。もうリタイアしたので助かります」 東京出張のたびにまとめ買い 40代男性
「(Q.お住まいはお近く?)鹿児島です」
「(Q.こちらに用事があって?)出張で」
「(Q.鹿児島に金券ショップは?)ありますけど、ここほど品ぞろえはない」 飲食店の食事券

地元の店でも使える全国チェーンの飲食店の食事券を、東京出張のたびにまとめ買い。この日は、食事券およそ1万1000円分を購入、1000円以上の節約ができるとか。

40代男性
「(1枚は)ほんの10円とか20円、多くても50円引きだけど、チリも積もれば山となる」

いつもの外食がちょっとお得になるのが、金券ショップの魅力です。

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■切手を大量購入「郵便局で買うより安い」

■切手を大量購入「郵便局で買うより安い」

開店直後の午前10時すぎ、女性がやってきました。

スタッフ
「120円を30枚、10円を100枚」 大量の切手を購入 切手を大量に購入 60代女性
「切手は郵便局で買うより安い。(会社で)経理をやっているので、なるべく費用削減…」

ビルメンテナンス会社で、経理を担当する女性。仕事で使う切手160枚、8800円分を8448円で購入。352円の節約です。

月に一度は大量購入。これだけで、年間5000円近くの経費削減につながっているとか。

経費削減のため 60代女性
「左うちわの会社だったら『何やってんのよ』と…。やっぱり今、物価も上がっているし、人件費は上がるけど取引先の金額は変わらない。どこで(経費を)減らすか…私の地道な1円単位」

節約のために足しげく通い、ショップのポイントカードもいっぱいです。景品のクオカードは、会社のみなさんで使うそうです。

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■「株主優待乗車証」とは? 耳寄りな情報も

■「株主優待乗車証」とは? 耳寄りな情報も

行楽の春。ゴールデンウィークを目前に、いま人気の商品があります。

株主優待乗車証

それが、私鉄各社の「株主優待乗車証」。これ1枚で、始点から終点まで乗車が可能。つまり、長い距離を乗るほど、お得になる片道切符です。

70代女性
「日光まで遊びに行く時に、普通の運賃で行くより安い」 20代女性
「今、切符を買った。帰省の時に使おうかなと」 小田急線の乗車証を購入

50代の女性は、小田急線の乗車証を600円で購入。新宿から小田原まで、通常910円かかる料金が310円の節約になります。

50代女性
「往復だと、かなりお得だと思って買いにきました」

さらに、常連客から耳寄りな情報が入りました。

耳より情報 70代男性
「連休明けは多分(値段が)下がってくる」

ゴールデンウィークなどの大型連休が明けると需要が下がるため、値段も下がり、さらにお得になることもあるといいます。

値段表をチェック 40代男性
「この値段を見ながら、もうちょっと下がるかな?と粘ってみて。ここまでかな?と見切りをつけたら買って、秩父観光とかを楽しむ。片道700〜800円かかるのが、500円台で行けると結構得した気分」

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■「青春18きっぷ」求め駆け込み買い なぜ?

■「青春18きっぷ」求め駆け込み買い なぜ?

この日、金券ショップに40代の男性が駆け込んできました。男性が手に入れたのは、JR全線の普通列車の自由席が5日間、乗り降り自由になる「青春18きっぷ」です。

青春18きっぷ 40代男性
「きのう旅行を決めてホテルを予約した。『青春18きっぷ』を買おうと思ったら、JRの券売機は発売期間が終わっていて、ホテル予約しているしどうしようかなと」

聞けばこの前日、突如、格安ご当地グルメ旅を思い立ってホテルを予約したものの、あてにしていた「青春18きっぷ」が買えず、旅行当日に慌てて金券ショップにやってきたのです。

40代男性
「1万1850円ですね」

金券ショップで無事ゲット。さらに、定価1万2050円が、200円の節約になりました。

2泊3日の旅を満喫

その足で、静岡県から愛知、関西を回る2泊3日の旅へ。新幹線を使ったらおよそ3万円の旅路を、「青春18きっぷ」を駆使して3分の1ほどに節約しました。

各地でご当地グルメを堪能しただけでなく、絶景も楽しむことができたといいます。

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■元同僚にプレゼント「お菓子より食事券」

■元同僚にプレゼント「お菓子より食事券」

出会いと別れの季節に、金券ショップを訪れる人の目的として多いのが、大切な人への贈り物です。

贈り物を購入するため来店 50代女性
「今まで職場が一緒だったんですけど、退社してしまったのであげようかなと思って」 同僚
「来た!久しぶり〜」 元同僚
「元気だった?」 50代女性
「これ、本当少しなんだけど…」 元同僚
「ごめんね、迷惑かけたのにこんなものまでいただいて。ありがとうございます」 お菓子と食事券をプレゼント

元同僚への贈り物は、お菓子と150円引きで購入した5000円分のレストランの食事券です。

元同僚
「こんなうれしいものはないで〜す。お菓子よりも、こちらです」 50代女性
「多分これもらったらうれしいかなって」 元同僚
「分かっていらっしゃる、みなさん」

3人は、同じお店で働いていた元同僚。そのお店の食事券をプレゼントに選んだのです。

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■ウェルカムボードをデザインした後輩へのお礼

■ウェルカムボードをデザインした後輩へのお礼

図書カード

鉄道員だという20代の男性も、お礼の贈り物を購入。図書カード3000円分を105円引きの2895円でお買い上げです。

20代男性
「後輩にあげる。結婚式のウェルカムボードの製作を手伝ってくれた」 後輩がデザイン

去年9月、結婚式を挙げた男性。鉄道員にちなんで、行き先表に見立てたウェルカムボードをデザインしてくれた後輩へのお礼だとか。

20代男性
「105円お得に…。額面より安く買えるのも魅力」

■イチオシの金券は「日専連」 約10万店で利用可能

ここで、金券ショップの店員さんも愛用するというイチオシの金券を教えてもらいました。

1000円分の商品券 J・マーケット 浦陽店長
「結構マイナーな券だけど『日専連』。ニトリ、ドン・キホーテ、イトーヨーカドーとか日常使いもしやすい」 日専連商品券

1000円分の商品券は、1枚17円引きの983円。スーパーや百貨店のほかに、ホームセンターや家電量販店など使えるお店はおよそ10万店。高額な買い物をする時に、特にオススメだといいます。

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■季節外れの「年賀はがき」を購入 なぜ今?

■季節外れの「年賀はがき」を購入 なぜ今?

この日、ちょっと変わったモノを購入する男性がいました。

古い年賀はがきを購入 常連 川西さん(58)
「はがきなんですよ、普通の。古い年賀はがきで一番安い。(お年玉の)くじが終わっている。当選が過ぎてハズレ、それで安い」

それは、今年のお年玉付き年賀はがき。通常1枚63円が、こちらでは60円。5枚買ったので、15円の節約です。

川西さん
「節約できる金額はわずかだけど、まあ気持ちですね」

それにしても、季節外れの年賀はがき。一体、何に使っているのでしょうか?

出版社へのお礼

はがきには、「SKE48を取り上げて頂きありがとうございます」の文字が書かれています。

川西さんは大のアイドルファン。これは、雑誌の出版社に“推し”のアイドルグループを起用してくれたことへのお礼を伝えるはがきだといいます。丁寧にお礼を伝えることで、また雑誌に起用してもらい、活躍の場を増やしてほしい。それが、川西さんの願いだとか。

川西さん
「稼ぎが少ない分、こういうことをやらないと…」

警備員の仕事をしている川西さん。稼ぎの大半を“推し活”につぎこんでいるため、少しでも節約できる金券ショップは重宝しているそうです。

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■息子(5)と来店 マラソン完走のご褒美

■息子(5)と来店 マラソン完走のご褒美

5歳の息子と来店した40代のお父さん。息子へのご褒美を買いに来たといいます。

40代男性
「1キロ親子マラソンに出て頑張った。最後は泣きそうになっていたけど」 親子でマラソン完走

足立区で開催されたマラソン大会に参加し、見事完走したという親子。それにしても、金券ショップでご褒美って?

息子(5)
「コットンキャンディパステルが好き」 ご褒美のアイスをギフト券で購入

お兄ちゃんたちも一緒に、ご褒美アイス!お父さんが買ったのは、アイスクリームチェーンのギフト券だったのです。

■テレホンカード購入した男性「中身の濃い会話できる」

テレホンカード

30代の男性が買ったのは、今どきちょっと珍しい50度数のテレホンカード。

30代男性
「公衆電話からかけた方が考えて話す」

あえて、スマホを持っていないのだといいます。

あえてスマホ持たず 大阪在住の母(70代)
「はい」 30代男性
「もしもし、オカン?」 大阪在住の母
「おぉ!まさき〜」

「通話時間に限りがあるテレホンカードの方が、中身の濃い会話ができる」と考えているのだとか。

金券ショップは、きょうも誰かの暮らしと心をちょっと豊かにしているに違いありません。

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