ご祝儀の代わりに会費を-。ブライダルハウスチュチュ沖縄が新たな結婚式の形として「会費制ウエディング」をロワジール・ホテルズ沖縄と協力して提案している。

 沖縄の結婚では祝儀1万円が相場だが、物価や人件費の高騰で式の費用も高くなり、新郎新婦側は大幅な赤字になることも。祝儀の代わりに1万5千~1万7千円の会費制にすると自己負担が抑えられ、資金計画も立てやすい。チュチュ沖縄の糸数美香常務は「ウエディング業界は多くの業種が関わる。大人数の式が増えれば県経済の発展にもつながる」とプランの利用を呼びかけている。

 同社によると県内の婚姻数は10年前には8千組ほどだったが、2022年には約6500組、23年には約6300組に減少した。結婚式を挙げる割合も近年は5割以下に。背景には新型コロナ禍でカップルの価値観が変わったことに加え、沖縄特有の1万円祝儀の文化があると同社はみている。

 一般的な式の場合、200人を招待すると350万円ほどの費用がかかり、祝儀1万円では新郎新婦の自己負担は150万円ほどになる。糸数常務は「金額を考えると『そのお金で海外旅行に行こう』と考えるカップルが増えた」と現状を明かす。

 200人で会費1万5千円のプランでは挙式、披露宴の食事や飲み物、装花や演出、写真、引き出物、衣装などが含まれ、自己負担は約60万円に抑えられる。

 招待状には会費制であることを明記。参列する側も祝儀の額を悩まなくて済み、祝儀袋や新札を用意する必要もない。将来的にはキャッシュレス対応も視野に入れているという。

 会費制はチュチュが本社を置く北海道が発祥とされ、今では全国に広がる。糸数常務は「沖縄の結婚式の新しい選択肢にしてほしい」とPR。ロワジール・ホテルズ沖縄の諸喜田直美氏も「事前に必要な金額が明確になれば、半年後や1年後などを目指して準備がしやすいはず。沖縄の文化である結婚式を守っていきたい」と話した。会員制結婚式についてのウェブサイトはhttps://www.tutu-okinawa.jp/membership/

(政経部・銘苅一哲)

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