三菱UFJ銀行の女性行員が、約4年半に渡り、貸金庫に預けられた十数億円分にのぼる顧客の資産を盗み続けていた問題で、三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取が16日午後会見し「信頼・信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがすものと厳粛に受けとめており、お客様・関係者に心よりお詫び申し上げます。」と謝罪した。
三菱UFJ銀行は11月22日、問題の行員が2020年4月から約4年半にわたって、店頭責任者として管理していた東京の練馬支店と玉川支店の貸金庫から、約60人分の資産・時価総額にして十数億円分を盗んでいたと発表していた。
その後、両支店での貸金庫利用客への調査を進めた結果、数十名の客より「被害を受けた可能性がある」との申し出があった事が、きょうの会見で新たに明らかになった。
当該の行員は40代の女性で営業課長・支店長代理として貸金庫の管理責任者をしていて、盗んだことを認めており11月14日付けで懲戒解雇したとしている。
貸金庫を開けるには「銀行鍵」と「お客様鍵」の2本が必要だが、客が鍵を紛失した時に備えて「予備鍵」を銀行側が保管していて、客立ち会いの下で、封筒に鍵を入れ、開封したら分かるように印鑑を押し、専用の「予備鍵入れ」に施錠して保管していたという。今回窃盗をした行員は予備鍵の管理者で、保管されていた予備鍵を悪用して貸金庫が開けられていたという。予備鍵をチェックする仕組みはあったが、4年以上にわたり発覚しなかったとしている。
三菱UFJ銀行側は、より厳重な予備鍵の運用ルールを設定するとともに、来年1月中に、全ての予備鍵を本部で一括管理する体制にして、再発防止するとしている。
半沢頭取は「銀行にとって信頼信用が事業の根幹であると再認識し、全行挙げて失われた信頼信用の回復に努めると共に社会的な責任を果たしていきたい」としている。
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