新幹線が開業してから1カ月が経ちました。新幹線が停まる福井駅前は、ミニエなど 新しい施設ができてにぎわう一方、福井市の繁華街・通称片町は、客足が落ち込んでいるそうです。

田島嘉晃アナウンサー:
「福井市の繁華街・通称片町です。新幹線が通る福井駅からは歩くと15分から20分の距離にあります。歩く人の数はまばら。片町の店の人によると、新幹線開業前よりも街を歩く人の数が少ないそうです」
 
片町で創業32年のバー「ベリーグッド」で、バーテンダー歴40年以上の伊井隆延さんによると、平日は空席が目立つそうです。
  
ベリーグッド バーテンダー・伊井隆延さん:
「平日も週末も、3月は片町がそんなににぎわうことがない日が多かった。駅前に新しい店や施設ができたので、客はそちらに興味を持って行っているのでは。駅前をひと通り見て、落ち着いてくればまた戻ってくると思う」
  
伊井さんは新幹線開業に向け、福井をイメージしたオリジナルカクテルを考案しました。開業効果は後々、片町にも表れると期待を寄せています。
 
一方で、開業効果を実感している店もあります。片町にあるテーブルマジックを楽しめるバー「手品家」です。
 
手品家・侑大店長:
「県外の客は少しずつ流れ込んできている。手品の店となると、せっかくだし行ってみよう、という県外の客は増えた」

北陸新幹線で初めて福井に来た客は「夜のお店が好き。スナックを探していてウロウロしていたら手品家を見つけた」と話していました。夜遅くまで店をはしごできる片町は魅力的だったようです。
 
新幹線の開業効果が見え始めている一方、地元の片町の常連からはこんな声も。

地元の常連客:
「個人的には今駅前の方が熱い。新幹線、ミニエ、くるふができて駅前に行くようになった。それがいまだに続いている。片町より駅前に行く方が多い。昼から飲めるのもある」
 
新幹線開業で連日にぎわう駅前に、片町がどう存在感を示していくのか。侑大さんは、駅前との差別化が長期的に重要だといいます。
 
手品家・侑大店長:
「バーなどは遅い時間になってくると駅前はだんだん店が少なくなってくるので、片町に結局客は戻ってくるのでは」

一方で、同じくバー「ベリーグッド」を営む伊井さんにも変化がありました。4月、全国から1200人を超える経済同友会の会員が福井市内に集い、全国大会が開かれました。その効果が店にも表れたのです。
 
ベリーグッド バーテンダー・伊井隆延さん:
「経済同友会・沖縄支部の人が十数名で貸し切りにしてくれた。大きいイベントが福井県で行われるようになるので、長い目で見たら片町を使ってくれる客も出てきて、新幹線効果も見えてくるのでは」

連日、県内外の客でにぎわう駅前。今後、開業効果を点ではなく、面で広げられるかが課題となります。

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