米国の国旗=ゲッティ

 米労働省が3日発表した4月の雇用統計(速報値、季節調整済み)によると、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数は前月比17万5000人増となり、市場予想の24万3000人を下回った。失業率も3・9%と市場予想(3・8%)より悪かった。

 4月の就業者数の増加ペースは、今回の発表で上方修正された3月の31万5000人を大きく下回った。人手不足の続いていたレジャー・接客が5000人増(3月は5万3000人増)と前月から失速した。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、物価上昇(インフレ)を抑制するため2022年3月に始めた利上げを終え、24年中に利下げを始める予定。雇用環境が予想より悪かったことで、市場では利下げ開始が早まるとの期待が強まった。

 雇用統計発表後の3日の外国為替市場では、日米の金利差が縮小するとの思惑から円を買ってドルを売る動きが活発化した。円相場は対ドルで上昇し、一時1ドル=151円台後半と4月10日以来約3週間ぶりの円高水準となった。

 雇用統計発表前も、日本政府・日銀による為替介入への警戒から1ドル=152~153円台で推移していた。【ワシントン大久保渉】

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