冬のボーナスが支給される時期になりました。今年は平均支給額が去年と変わらないという企業が増加しています。こうしたなか、人材を確保し、手取りを増やす新たな取り組みを取材しました。
■“手取りを増やす”新たな制度
街の人に聞きました。冬のボーナスって増えそうですか。
システム会社 営業
「上期と変わってない」
「(Q.もっと増やしたい?)そりゃもう青天井で増やしたい」
帝国データバンクが先月後半に実施した調査によりますと、全国1万939社のうち12.8%が冬のボーナスがないとし、ボーナスはあるが去年と変わらないと回答した会社は43.3%で、去年より増えました。
物価は上がっているのに、“手取り”は増えない…。
国会では「国民の手取りを増やす!」と“働き控え”につながる所得税の課税対象となる“年収103万円の壁”の引き上げについて議論されてはいますが、協議は難航しています。
そんななか、新たな手取りを増やす方法があるというのです。
南青山アドバイザリーグループ 仙石実代表
「会社の目的を達成した時に初めて社員の方にインセンティブ(報酬)をもたらすという制度。エンゲージメントストック」
「エンゲージメントストック」は、普段の給料やボーナスとは別の、いわば“第三の報酬”だというのです。細かい条件は会社ごとに決めますが、大きな仕組みはこうです。
まず、会社は働きが良かった社員に対し、ポイントのような“仮想の株式”を与えます。すると、社員は、もっと“株式”をもらおうと頑張ります。そして、その働きにより会社の業績がアップ。会社の株の価値が上がるため、社員はもっと頑張るというものです。
あくまでも仮想なので、株価はあらかじめ決めておいた会社の目標達成など、業績や成長に応じて変えていきます。社員は“仮想の株式”を会社から現金に換えることで手取りが増え、会社は社員が頑張ることで業績が上がるという、まさにウィンウィンの仕組みだというのです。
全国で整体院や整骨院を運営するこちらの会社も「エンゲージメントストック」を導入しました。
一野式グループ 一野恭範代表
「200万円ぐらいまでの支給は見込めるんじゃなかろうかと」
頑張れば5年で200万円になる社員も。しかし、それだけ払っても会社側にメリットがあるというのです。
池田さん、入社して1年9カ月です。
入社1年9カ月 池田英昭さん(48)
「私のほうは今9株で頂いておりまして、7月31日現在の株価が4039円ですから、きょう時点の権利を行使した場合の利益というのが、3万6351円ということになります」
「エンゲージメントストック」では、会社側にとってはより多くの出費になってしまいます。しかし、人材確保や離職防止になるメリットがあるといいます。
一般的に、退職者が出るとそのコストがかかるといいます。
南青山アドバイザリーグループ 仙石実代表
「今は1人500万円ぐらい退職コストがかかると言われていますので、3年、5年残ってくれた社員に数十万円を渡したとしても、会社にとってもメリットが高い仕組み」
こちらの会社では、株式を現金化できる年数を区切っています。
一野式グループ 一野恭範代表
「5年滞在された方々には毎年毎年のものが累計足されて、5年後に大きな金額が支給されると」
「(Q.5年以内に辞めたら?)その場合には支給はできない」
会社は現在、海外含めて42店舗、従業員120人です。2030年までに国内500店舗を目指しているといいます。
一野式グループ 一野恭範代表
「現状私たちが掲げている計画でいくと、アルバイトの人でも最低でも20万円、多い人は正社員で200万円くらいまでの支給は見込める」
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