就活を考える大学生が最も相談し、影響を受けた人物は「親」――。民間調査でこんな実態が明らかになった。子供が親に寄せる信頼感の高まりを感じる一方で、親の負担感もまた高まっていそうだ。
調査は、ベネッセi―キャリアが運営する新卒者の就活支援サービス「dodaキャンパス」会員の大学2、3年生(2026、27年卒)を対象にインターネットで10月28日~11月3日に実施、390人の回答をまとめた。
「就活が本格化した時期に一番相談している、相談したい人」を複数回答で尋ねると「親(父親・母親)」が22・3%で最も多く、前回の23年調査に続いて2年連続のトップだった。2位は「友人」で14・4%、3位は「大学のキャリアセンター職員」の12・3%と続いた。
このほかの質問で「今後のキャリアを考える時に相談したことがある人」に「親」と答えた人は60・0%、「現在の自身のキャリア観に大きな影響を与えた人」も「親」は44・1%で、三つの質問でいずれも「親」が最多となった。
自由回答でも親への信頼の厚さがうかがえた。「迷っている時にやりたいことを選べばよいと背中を押してもらえた」「向いていないと思っていた職種も親のアドバイスで新たな気づきが得られた」といった意見が寄せられている。
親に就活の相談をする大学生が多い要因として、調査をしたdodaキャンパスは「受験期同様に子供の就活に伴走する親の増加」を指摘する。近年では受験の複雑化などで子供だけでは受験を乗り切ることが困難となり、親の知識やサポートが必要とされている。就活の場面でも、学校や企業が保護者向けの説明会を開催する機会は多く「親は就活の実態を理解して、より具体的なアドバイスができるようになっている」と分析する。
ただ、就活の主役は「大学生自身」とdodaキャンパス編集長の岡本信也さんは強調。親や周囲のアドバイスを参考にしながらも「最終的に将来のキャリアは自分で選ぶこと」として、主体的な取り組みを促している。【嶋田夕子】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。