60年以上にわたり地域に愛された大阪府堺市の百貨店が、約1年後に閉店することを決めました。
堺市にある「高島屋堺店」。南海電鉄堺東駅直結の一等地に位置する百貨店です。しかし、少子高齢化による人口減少やネット通販の広がりなど、2020年度から4期連続で営業赤字を計上。60年以上にもわたり地域に愛されてきましたが、約1年後の2026年1月に閉店することを決めました。地元の人は…
「えー!って思った。寂しい、おいといてほしい。やっぱり親しみがあるし」
「お中元とかお歳暮とかずっと高島屋やからね、それがなくなったら難波まで行かないとダメなの。ここ、こじんまりしてていいでしょ、向こう行ったら迷うでしょ」
「びっくりした。存続してほしいのにできないのかしらね。「(Qなぜ閉店すると思う?)客がいらっしゃらないもの。少ない、平日はね。デパートが堺からなくなっちゃうからすごく寂しい」
「百貨店に行けばなんでもある」。かつて小売りの王様と言われた百貨店。しかし、ネット通販など買い物の新しいカタチが広がると、百貨店に危機が訪れます。
関西では2020年に滋賀の「西武大津店」、神戸の「そごう西神店」が閉店。全国でも閉店は相次いでいて、島根・山形・徳島・岐阜の4県は百貨店ゼロ県に。百貨店の数は178と、10年前に比べて60店舗も減っています(※日本百貨店協会調べ・2024年10月時点)。
そんな中、生き残りをかけ神戸市須磨区にある大丸須磨店では新たな取り組みが始まっています。
(大吉洋平アナウンサー)「3階までは多くの人がイメージするような百貨店なんですが、4階には図書館があるんです」
全国初の百貨店内の公立図書館「神戸市立名谷図書館」。モノを買うだけの百貨店ではなく、最低限の機能は残しながら地域の新しい中核施設にしていきたいと考える大丸と、図書館の新設場所を探していた神戸市と思惑が一致。3年前、百貨店の4階に誘致しました。
(大丸須磨店PR広報担当 林美結さん)「「図書館ができたことで通うお客さまがいたり、あとは若いお客さまとか。そのままお店でお買い物していただくお客さまも多くいらっしゃいます」
図書館を誘致したことで子ども連れや学生などの若年層の来店が増加。それらのニーズに合わせ大丸ではファッションフロアのリニューアルやコスメ店などを新たに誘致しました。
(大丸須磨店PR広報担当 林美結さん)「中身を変えながら長くお客様に愛していただけるように少しずつ変化しております」
この動きについて専門家は「全国の百貨店で進んでいる」と話します。
(中部大学人文学部 末田智樹教授)「地方百貨店はいわゆるモノを売るだけではダメなので、店舗内のモノ売りだけではダメなので、百貨店の『貨』が貨ではなくて『価』値ですね。いろんな方に価値を与えるというような百貨店というのは残ると思うんですけ、もう中身はどんどん変わっていくと思います。2020年代はまさに百貨店の変貌の時代」
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