大阪のシンボル「通天閣」を運営する会社が南海グループの子会社となります。
通天閣を運営する「通天閣観光」は株式の70.8パーセントを売却し南海グループの傘下に入ることが決まりました。
通天閣観光と南海はことしのゴールデンウィークごろから子会社化に向けた協議を始めていたということです。
なお、株式の取得額について、南海は非公開としています。
■「とうとうこの日がやってきた」「南海からは『クーリングオフはないで』と言われている」
4日午後、南海とともに会見に臨んだ通天閣観光の高井社長は「南海からは『クーリングオフはないで』と言われている。とうとうこの日がやってきた」と述べました。
【通天閣観光 高井隆光社長】「とうとうこの日がやってきました。さぁ、人、街、未来、新世界の新たなトビラが今開きます」
「当社は、本日南海グループの一員となることをさきほど、合意致しました」
「ちなみに南海電車さんからは『クーリングオフはないで』という風に言われております」
「通天閣と地元新世界の未来を誰よりも考え、これまで様々な方といろいろな可能性を求めて協議し、検討してまいりました」
■「通天閣は無くならないから安心して」
【通天閣・高井社長】「一部では『通天閣が無くなってしまうかもしれない』『通天閣という名前が変更されるのではないか』といった憶測も飛び交いましたが、通天閣は今までもこれからも通天閣であり、引き続き大阪のランドマークとしてお客様、地域の皆様に愛される存在でありますので、皆さんどうぞご安心ください」
「南海電車さんとはこれまでも、ご近所でありまして、協力関係を築かせて頂きました」
■「南海と通天閣は100年間切っても切れない存在」
「そもそも歴史を遡りますと、初代通天閣開業前年にあたります1911年に、南海グループの一員である南海電鉄がここ恵美須町まで開業しております」
「また、通天閣の歴史に関しましてもこの100年、南海グループとは、切っても切れないそんな存在だと思っております」
「今回、グループ化もそのようなお互いの関係性の中で歩み寄り、協議を重ね、最終決断に至りました」
「今後、通天閣での歴史に新たな1ページを刻んでいくことになりますが、体制といたしましても、私高井が決意を持ちまして、通天閣の運営に関わらせて頂きたいと思っております。
「通天閣、新世界グレーターなんばを誰よりも熱く、盛り上げていきたいと思っております」
「南海グループの皆様、地元新世界の皆様と力を合わせて、通天閣が100年、200年光り輝き続けられるように、そして地元新世界ならびにグレーターなんばが大阪ナンバーワンの賑わい溢れる街になれるように頑張ってまいります」
「最後になりましたが、2025年、大阪・関西万博に向けまして、今後ますます盛り上がる新世界、新今宮、なんばエリアにぜひ皆さん、足を運んでください」
「皆でこちら『なんかいい通天閣』でお待ちしております」
■「万博、IR、なにわ筋線開業など大きなチャンスがある」と南海社長
一方、南海電鉄の岡嶋信行社長は「万博、IR、なにわ筋線開業などをチャンスとし、新世界エリアをますます魅力あるものにする」と抱負を語りました。
【南海電鉄・岡嶋信行社長】「通天閣は大阪を超々する賑わいのシンボルとして、長年にわたり、関西はもとより全国レベルで多くの方々に愛されてまいりました」
「その歴史と伝統を引き継ぎながら、これからは南海グループの一員として新たな一歩を踏み出すこととなります」
「現在の大阪は、あと4カ月後に迫った大阪・関西万博、その先には大阪IRやなにわ筋線の開業を控えるなど、大きな話題に溢れており、この大阪が大きな変貌を遂げていく未来が待っております」
「これら大きな話題をチャンスとし、この新世界エリアをますます魅力あるものにしていきたいと考えております」
【南海電鉄・岡嶋信行社長】「南海グループは139年前の1885年、なんば駅を起点とする鉄道会社としてスタートを切り、この新世界も含めた沿線エリアの皆様と共に魅力ある街づくりに努めてまいりました」
「ターミナル駅のなんばから新今宮、新世界への南北ラインを、このエリアをもっとワクワクする街にしたいという思いで、グレーターなんば構想を掲げ、なんば駅前広場の整備、新今宮駅のリニューアルなど様々な取り組みを行ってまいりました」
「そして本日、大阪のシンボルである通天閣が、南海グループとして、これから一緒に歩んでいくことが決まり、本当に万感の思いをもって迎えた記念すべき日となりました」
■「通天閣はこれからも大阪のシンボルであり続ける」
【南海電鉄・岡嶋信行社長】「通天閣がグレーターなんば構想を進める南海グループメンバーに加わったことによりまして、これまでの取り組みをさらに加速させ、新世界を大阪や、全国ナンバーワンのワクワクする街にすることを実現してまいります」
「来年2025年は、通天閣観光が設立70周年、南海電鉄が創業140周年を迎え新たな一歩を踏み出すメモリアルイヤーとなります」
「通天閣が南海グループとしてこれからも末永く大阪のシンボルであり続け、この街が多くの方から親しみ愛され続けられることに、南海グループが必ず貢献することをお誓い致します」
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