トヨタ自動車は25日、自動車の大量生産に必要な「型式指定」の認証不正問題で、再発防止策の進捗(しんちょく)状況を国土交通省に報告したと発表した。現場に依存していた開発・認証のプロセスへの経営層の関与度強化や、認証業務に立ち会う「社内審査官」の設置、認証の人員増に向けた確認作業に着手したことなどを報告した。
国交省はトヨタに対して、再発防止策の実施状況を3カ月おきに報告することを求めており、今回が1回目。
トヨタは担当役員が開発や認証の各現場を定期的に巡回し、実務者との対話や実際の作業の確認などを行ったほか、課題を社長と定期的に共有し、対応を立案、即実行できる体制を整備したことなども明らかにした。取締役会での話し合いも適宜実施しているとした。
増員する方針を表明していた認証業務については今回、人事や経理部門による現場の確認作業を始めたと報告した。リソース(経営資源)の充当項目などを整理した上で、今後の対応を検討するとした。このほか、エンジン出力試験でコンピューターを調整し狙った数値を出す不正をしていたことを受け、デジタル技術を活用し、意図的なプログラム変更を防止する仕組みを設けるなどした。
同社は「すべての従業員一人一人が法令順守の意識を高め、正しく仕事ができる仕組み・体制の見直しを進めている」とした。
国交省は7月31日、道路運送車両法に基づく是正命令をトヨタに出した。1カ月以内に再発防止策を報告し、3カ月ごとに実施状況を知らせることを求めた。その後、トヨタは8月9日に再発防止策を提出した。【大原翔】
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