2

 一度退職した社員を再雇用する「アルムナイ採用」を導入する企業が今、増えています。企業と労働者にどのようなメリットがあるのでしょうか。

■「出戻り社員が組織に与える影響は?」

「出戻り社員」再雇用 この記事の写真

 インターネットメディアの運営を行う都内の企業。マーケティング部で働く佐滝忍さん(36)は6月入社の社員ですが、新人らしからぬ振る舞いです。その訳は…。

佐滝さん 
「6年くらい前にアントレの制作部門で仕事していました」

 実は、元々この会社に所属していた出戻り社員です。

佐滝さん 
「どうしようかなと考えていた時に、(会社から)『戻ってきませんか?』みたいなお声掛けをいただきました」 アルムナイ採用の強み

 この会社では、1年半前からアルムナイ採用に力を入れ始めました。

アントレ人事部 井上智恵さん 
「新しい環境でやってきたからこその知見や経験、新しく得たもの再度この会社で活かせるところが大きな強み」

 国内でも広がりつつあるアルムナイ採用。組織にどのような影響を与えるのでしょうか。

次のページは

■「出戻り社員」否定的な印象を払拭するには?

■「出戻り社員」否定的な印象を払拭するには?

働き方の幅を広げる

 6年前に辞めた会社にアルムナイ採用で再び就職した佐滝さん。同僚たちの反応は…。

同僚 
「最初から用語やシステムを説明しなくてもいいので、すごく楽」
「同期ですけど、すごく頼りがいがある先輩みたいな」

 佐滝さんの場合は出戻りしたことで、以前この会社に勤めていた時よりも給料が上がったといいます。

佐滝さん 
「『ちょっと違う世界を見てみたいな』という感じで外に出ていく私のような人も結構いると思う。そういった方が一度外を見て戻ってくる。あわよくば対応(給料など)もアップしてということがあると、すごく働き方に幅が出てくると思う」 エン・ジャパン調査

 一方、「出戻りをよく思わない人も9%いる」という調査結果が出ています。

 街の人からは「『またどうせ辞めるんでしょう』『教えても無駄だから』と言われたら、ちょっとショック」「もう一回戻るっていうのは、ちょっとかっこ悪い」といった声も聞かれました。

否定的なイメージを変えるためには

 否定的なイメージを変えていくためには、何が必要なのでしょうか?

リクルートマネジメントソリューションズ 山本りえ氏 
「会社側から見ると退職は損失と捉えられがちですし、既存社員から見ても裏切り・脱落とネガティブな印象もありますが、一方で退職自体を選択しの一つ、成長の一つと捉えられるように(社内)風土を作っていけると、在職している方にもメリットがあり、また戻れるという選択肢も増えてきます」

(「グッド!モーニング」2024年11月15日放送分より)

この記事の写真を見る
・“貧困”進むエンゲル係数…食費が家計圧迫 投票に行く前に要チェック!【数字でわかる今の日本】・なぜ“告発を公益通報”と扱わず?知事「誹謗中傷」←副知事「パワハラ」認識に温度差・ひろゆき×米山隆一 「年収の壁」撤廃の基準をどこに設定するべきか? 7.6兆円の税収減でも全員に恩恵?低所得者層に留める?・「106万円」撤廃でも手取り減少の可能性 もうひとつの「壁」は社会保険料・新卒採用で“海外勤務確約”が話題 「配属ガチャなし」は良いことばかり? 加熱する人材争奪戦で選ぶ自身のキャリアは

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。