10万人に1人といわれる “急性リンパ性白血病” を高校生で発症したタレントの友寄蓮さんが5日、富山の高校生を前に講演しました。友寄さんは1年4か月間にわたる抗がん剤治療と100回の輸血で回復した経緯から、 “いのちの贈り物” である献血の重要性について訴えました。
タレント 友寄蓮さん
「私は16歳のときに急性リンパ性白血病と診断をされ、卒業までの1年4か月間、闘病生活を送りました。そしてタレント業をしながら、今は子育てに奮闘中です」
「闘病中は100回以上の輸血に救われました。この中で献血を行ったことある人いますか?きょうは献血したことがないという方の背中を押せる一歩になると嬉しいです」
東京都出身のタレント、友寄蓮さん29歳。中学生から化粧品のモデルや舞台などを中心に活躍し、現在はタレント業をしながら1児の母として育児にも奮闘中です。
そんな友寄さんの体に異変が起きたのは高校2年生の秋でした。
タレント 友寄蓮さん
「発覚の2か月前くらいから、かぜのような症状が続いていました。咳が止まらなく、頭痛や息切れ、授業中も気を失うように寝てしまうような状況で、病院を受診したところ、かぜと診断されました。別の複数の病院に行ったのですが、やはりかぜと言われるだけ。毎日這うようにして通学していたことを覚えています」
これまでの不調は “極度の貧血” からだった
体調が悪い中、学校生活と芸能の仕事をこなす日々を送っていたある日、母親が友寄さんの脚に触れただけでアザができたのです。もともとアザがつきやすい体でしたが、改めて見ると脚の至る所にアザが増えていました。
次の日。ドラマの撮影中に鼻血が止まらなくなりました。
タレント 友寄蓮さん
「両方の鼻から鼻血でてるよ!とスタッフから指摘されました。このときの鼻血はいつもと違って、水っぽいようなサラサラとした感覚でした。30分以上も止まらず、ついに起き上がれなくなり、その日は撮影途中で病院へ行きました」
よく知る小児科で受診し、採血検査をした結果、芽球(白血病細胞)が33%でした。芽球の数が増殖すると、正常な血液をつくることができなくなるため貧血になったり、血小板が減少し、出血が起こりやすく血が止まりにくくなったりします。
骨髄中の芽球の数が20%以上になると急性白血病と診断されるのです。
友寄さんはすぐに大きな病院に紹介され血液内科を受診。「急性リンパ性白血病」と診断されました。これまでの不調は極度の貧血状態が原因だったのです。
強い抗がん剤を使う1年間の入院に…
タレント 友寄蓮さん
「まさか自分が…と思ったのと同時に、やっぱり病気だったのか。今までの不調は病気が原因だったからか。自分の弱さのせいじゃなかったのかと、ホッとした気持ちもありました。病名が分かり、正しい治療を受けられるという安心感が大きかったです」
急性リンパ性白血病とは「血液のがん」とも呼ばれ、発症率は10万人に1人程度といわれています。
2019年に、当時18歳だった競泳選手の池江璃花子さんがこの病気を公表し、先日病気の寛解を発表しました。
人間は体内の骨髄で必要な、赤血球、白血球、血小板などの血液細胞を作ります。
しかし、血液ができる過程でがんになる病気が白血病です。白血状になると、自力で血液細胞を作ることができなくなり、貧血や免疫力の低下が起き出血しやすくなります。
タレント 友寄蓮さん
「私は16歳だったので、小児向けの白血病治療と決まりました。大人とは違い、子どもは強い抗がん剤を使う長期入院。1年間入院することや副作用などの説明も受け、11月から治療が始まりました」
“どうして健康に産んでくれなかったの”
治療が始まると、覚悟していた副作用が徐々に出てきました。最初は髪の毛の脱毛でした。
タレント 友寄蓮さん
「髪が抜け始めたので、潔く頭を丸めたいと先生に言ったら、あなたは血小板が作れない状態だから、ちょっとした傷口からの出血が止まらなくなってしまうし、傷から感染を引き起こすこともあるから、このままで我慢してねと言われました」
「抗がん剤を使うに連れ、髪の毛がたわしのような触り心地に変化していきました。ある日、頭頂部で針金のように固まって鳥の巣みたいになってしまって、それがボロっと抜け落ちました」
しかし脱毛よりもショックだったのが…
タレント 友寄蓮さん
「抗がん剤で使うステロイド剤の影響で顔がまん丸になる、ムーンフェイスになったことが一番ショックでした。代謝が悪くなって顔に脂肪が集まってくるんですよ」
「手足は棒のような状態で、自力で起き上がることもできなければ、介助が常に必要な状態でしたが、顔だけが異常に丸くなってしまって。お見舞いに来てくれた友達にも『思ったより食べられてるんだ、良かったね』とか『ふっくらして安心したよ』と言われ、その言葉に対して薬の副作用の影響でとなかなか言い出せなくて…それでだんだんと友達と会いづらくなってしまったかな…」
また、一番辛かった副作用は口の中いっぱいにできた口内炎でした。
タレント 友寄蓮さん
「口の中すべてが口内炎で腫れ上がってしまって、燃えるような痛みでした。閉じられなくなった半開きの唇から膿が流れ出して、吐き出すこともできない。横になって眠ると膿が喉に流れ込んで詰まるので、ベッドを起こした状態で寝ていました。飲食どころか喋ることもできず、たくさんの管が繋がれて、点滴から栄養をとっていました」
あまりの痛みに耐えられなくなくなり、母親の恵美さんに対し、「どうして健康に産んでくれなかったの?」と筆談で伝えたそうです。
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