特集です。今回取材したのは、山口市出身の河端里咲さん。今年5月にUターンして新しく店をオープンさせました。ちょっと変わった経歴を持つという河端さんが開いた店を森本深月アナウンサーが訪れました。

森本深月アナウンサー
「山口市嘉川地区に来ています。7月29日にオープンしたこちらのお店、一見古民家カフェにも見えるんですが、今までこのあたりにはなかったあるものを売っているお店なんです」

その商品は、花。色とりどり、たくさんの種類が並んでいます。

森本アナ
「あんまり見たことないちょっと珍しい花が多いなというイメージなんですけど・・・」

河端里咲さん
「近くで身近にあるような花とかではなく、色とかも含めて、あんまり見たことのないような個性的なお花だったり、モダンな感じのお花とかを仕入れるときに意識してはいます」

「人の暮らしに溶け込むお店に」

この花屋さんをオープンさせたのは、河端里咲さん、28歳。山口市出身で、今年5月に山口市にUターンしてきました。店の名前は「Luft」、ドイツ語で空気という意味です。

河端さん
「空気のように、人の生活とか暮らしに溶け込むような存在の店になれたらいいなと思ってつけました」

そんな河端さん、実は珍しい経歴の持ち主です。大学時代を関西で過ごし、就職で東京へ。日経新聞の記者になりました。

河端さん
「お花の関係をしたいなと思いつつ、最初はちょっと社会のこととか、経済のこととか、全然知らなかったので、そういうことを知れて、飽きないような仕事がいいなって思って、新聞記者面白そうかもという感じで、新聞記者を選びました」

記者を経て単身ヨーロッパへ

日経新聞社では、おもに企業の取材を担当しました。電気、小売り・外食、通信などさまざまな業界を取材しました。コロナ禍に重なり、自由に取材できない苦労も味わいました。

去年、4年半勤めた新聞社を退社。単身ヨーロッパへ渡ります。1年ほどをかけてヨーロッパを旅しました。オランダの花屋さんで住み込みで働き、学びました。

花の切り方や保管方法、ブーケの作り方など基本的なことから、日々変わりゆく世界の花のトレンドを学ぶ姿勢まで、様々なことを教わったと言います。そのとき学んだ姿勢は、店にも現れています。

海外からの仕入れやSNSにも工夫

森本アナ
「これもちょっと変わったお花ですけど」

河端さん
「そうですね。南アフリカが原産のトロピカルな、ネイティブフラワーです。他のお花も南アフリカだったり、オーストラリア原産のお花とか、人気の物を並べています」

SNSにも力を入れます。こちらの女性もインスタグラムを見て初めて来店しました。

陶から初来店の女性
「近くにこんな素敵なお花屋さんがあるのは、すごくいいいなあと思って」

夫の母親の米寿のお祝いにと黄色をメインにオーダー。仕上がりを見て笑みがこぼれました。

女性
「とても素敵ですね。義母も喜ぶと思います」

私も、ブーケを作ってもらいました。

森本アナ
「かわいい~」
河端さん
「ちょっと秋なダリアとかも入れて、テレオン秋バージョンで」
森本アナ
「テレオンをイメージして!かわいい!確かにテレオンこのたてがみのライオンのところ、お花でできてるので、ぴったりですね」

店に並ぶのは花だけでなく…?

ここで、店に入ってからずっと気になっていたことを聞いてみました。

森本アナ
「ずっと気になっていたんですけど、なんでお花屋さんなのにお米やお野菜が売られているんですか?」
河端さん
「我が家が米農家でして、お米を作っているのと、お店の後ろの畑でお野菜も作っているので、取れたての旬の野菜を店頭にも並べています」
森本アナ
「そうなんですね。実際に畑を見せてもらうことってできますか?」
河端さん
「大丈夫です!」

店の裏にある畑にはカラーピーマンに、ナス、大根。様々な野菜がなっていました。毎朝、父親の隆之さんと一緒に収穫するのが日課だそうです。

父・河端隆之さん(58歳)
「いいねえ~」

公務員として働いている隆之さん。毎朝の収穫は、親子の大事な団らんの時間でもあります。畑には、親子の笑い声が響いていました。

隆之さん
「お花を売るための相乗効果に野菜とお米が少しでもなればいいかなと。それと、やっぱり自分たちが作っている野菜とかお米をもう少しいろんな人にも知ってほしいなという。いつの間にか、このお店がコミュニティの中心になって、日頃はあまり話したこともないような近所の方、おじいちゃんおばあちゃんも含めて、店に来てもらって、いろいろ声をかけてもらって、娘を通じてまたコミュニティの場が広がっているかなあと思います」

両親や親戚もUターンを歓迎

店のポップを作るのは、母・朋子さんの仕事。少しでも娘のためになればと考えています。

母・河端朋子さん(58歳)
「里咲は小さい頃は、割とおとなしめの感じでしたね。ただ、芯だけは強くて、自分が決めたことは、絶対やり遂げるというタイプでしたね。いつかは自分のお花屋さんを持ちたいっていうのは聞いてたんですけど、まさかの実家の隣で開くっていうのは、驚きと共に喜びでしたね」

里咲さんが母親に山口で店を開くと告げたのは去年の12月でした。なぜ山口なのでしょうか?

河端さん
「実家が山口だったというのもありますし、のどかでゆったりとした時間を過ごせるのは、関西でも東京でもなく、山口がいいなあと。地元の方とか、山口市以外の方とかも、来てくださったりするんですけれども、すごく喜んで帰っていただける姿を見ると、山口に帰ってきて良かったなと思いますね」

里咲さんのUターンを喜んでいるのは、両親だけではありません。姪の澪ちゃん、凛ちゃんもよくお店に遊びにやって来てお絵かきをしています。

澪ちゃん(6歳)
「お花のかわいいところが好き!」
森本アナ
「里咲さんのどういうところが好きですか?」
澪ちゃん
「かわいいところ!」
河端さん
「お店でありつつも、ほんとに私の居場所。親戚の集まる場所になっていたりもして、この店があって良かったなというのは、家族とか親戚がいるからこそ気付けることでもありますね」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。