連係プレーで命を救う

「呼吸なくて意識もないです」

スーパーで心肺停止で倒れた後“いびき”をかきはじめた男性に、とっさの判断で救命措置をしたとして8日、新潟中央消防署から来店客と従業員の4人に感謝状が贈られました。

7月、新潟市中央区のスーパーセンタームサシ新潟店の食品館で、高齢の男性が心肺停止の状態で倒れているのを、従業員の河内瑠菜さんが見つけました。

「心臓マッサージの講習は受けたことあったんですけど、やっぱり実際やるってなるとうまくいかなくて…。そんな時に大野さんが来てくれて、ホッとした」

たまたま買い物客として居合わせた大野俊さんが、心臓マッサージを交代。
その間に、従業員の佐藤真紀子さんがAEDを持って合流し、レジから駆けつけた川瀬香さんと一緒に操作をしました。

【AED】
「ピー。ショックが完了しました…」

店内で倒れた男性にAEDを使用したところ、男性は“いびき”をかきはじめました。

電話口で川瀬さんは、消防に「呼吸しました」と話しましたが…

「そしたら大野さんが、『シセンキコキュウ』って言って!と。そのまま伝えた」

新潟市内の病院で働いている大野さんは、この“いびき”が実は、人が亡くなる前にみられる“か弱い呼吸”である『死戦期呼吸』というであることに気付いたのです。

「穏やかな呼吸じゃなくて、いびきをかくような、ちょっと苦しそうな呼吸をしていたので、ひょっとしたらまだ“戻ってないのかな”って判断しました」

一命をとりとめた男性は9月ごろに退院し、社会復帰も果たしたそうです。

【AEDを用意した 佐藤真紀子さん】
「青紫の顔色になっていっていたので、危険な状態だなって認識はしていたけど、実際にその場に立ってみると体が動かなくなるんだなっていうのは実感した」

【倒れている男性に気付いた 河内瑠菜さん】
「助かって良かったなと思いますし、また同じようなことがあったら今回のことを糧に、もうちょっとすばやく対応できたらなと思います」

消防は「救命の連鎖が円滑に行われ、命が救われた」とするとともに、9月から運用を開始した、映像での通報システム『Live119』の活用も呼びかけています。

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