砂を使って絵を描く芸術、「サンドアート」。熊本の“特別な砂”を使ったパフォーマンスが行われました。その砂の正体とは、一体?
熊本から能登へ 被災地に寄り添うサンドアーティスト
熊本城ホールで開かれたコンサート。熊本から能登半島へ『復興のバトン』を渡そうというチャリティーイベントです。音楽に華を添えるべくスクリーンに映し出されたのは、サンドアートで描かれた熊本城、そして、能登半島から見える海の景色。東京在住のアーティスト、Cave(ケイブ)さんによるパフォーマンスです。
Caveさんは、熊本地震で被災した南阿蘇鉄道などの被災地に想いを寄せ、サンドアートの制作と募金活動を続けています。
サンドアーティスト Caveさん「南阿蘇鉄道は全線開通しました。それでも、これからもずっと応援し続けます」
コンサートで使った“特別な砂”の正体
コンサートの前日、Caveさんの姿は阿蘇神社にありました。
Caveさん「はぁ~、もうね、何度描いても毎回表情が違うんですよね」
チャリティーコンサートで披露する新作の舞台は阿蘇。2023年に再建された楼門もモチーフの一つです。
Caveさん「ここです、こういうところ。ツギハギだらけの楼門が心に訴えてくる」
この日やってきた目的は、阿蘇神社の「清めの砂」です。復興の願いを込めるため、サンドアート用として授けてもらいました。
阿蘇神社 権禰宜 内村泰彰さん「いい作品を生み出して、たくさんの方に勇気を届けていただけるとうれしいです」
「壊れてしまったものが蘇って、いつか人の“思い出”になる」
コンサート当日。本番前のリハーサルで阿蘇神社の砂を初めて使ってみることにしました。その感触は?
Caveさん「すごい…!すごく濃い。墨汁のように黒く映って、落ちる速さや重さが違う。細く描けるし散らないので、いい砂に出会えました」
そして本番。サンドアートで表現するのは、阿蘇の大地の成り立ちと、語り継がれてきた神話です。阿蘇神社復興を記念してつくられた交響曲の調べにのせて、指先から砂へ、想いを込めます。
阿蘇の農耕祭事「御田祭」の様子などを描き出し、クライマックスに姿を現したのは、阿蘇神社復興のシンボル「楼門」でした。
鑑賞した人「涙があふれました」「ビックリしました、阿蘇の噴火とか田んぼとか」「だんだん重なって変わっていく感じが自分たちの復興の変遷と重なって。すごいパフォーマンスだなと思って感動しました」
Caveさん「壊れてしまったものが蘇って、いつか人の“思い出”になる。それがサンドアートの『消えては描かれ消えていく』姿に重なるのではないかと思います」
今回のコンサートの収益はすべて、能登半島地震の被災地へ贈られるということです。
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