富山県砺波市庄川町の特産「庄川ゆず」が収穫の時期を迎えています。しかし、毎年恒例の庄川ゆずまつりを前に生産者からは心配の声が上がっています。

砺波市庄川町で50年、「庄川ゆず」を生産している真田猛さん。

9日・10日に行われる「庄川ゆずまつり」の開催を前に、今の時期は本来、収穫作業に追われているはずでした。

ユズ農家 真田猛さん
「もう次の休みが祭りなんやけど、どうしようかなって思って」

「庄川ゆず」はぼこぼこな表面が特徴で、皮は肉厚、香りが強いことが人気の理由です。

収穫されたばかりのユズが販売される「庄川ゆずまつり」は多くの人で賑わいます。

50年続ける生産者も「ここまで少ないのは初めて」

しかし、収穫に追われるこの時期に真田さんのユズ畑では――

ユズ農家 真田猛さん
「(収穫)せんなんがやけど、ほんまになっとらんもんやから。不作で弱っとるんやわ」

ユズは1年ごとに豊作と不作を繰り返すといわれていて、ことしは不作の年なことから、ある程度収穫量が減少することは想定されていましたが――

ユズ農家 真田猛さん
「予想以上に実の付き具合が悪かったって感じですね。前も不作っていうときもあったんですけど、ここまで少ないのは初めて」

ことし真田さんの畑で見込んでいた収穫量は1トンでしたが、実際はその約3割に減少しそうだと言います。

ユズの生産をはじめてから約50年、こんなことはなかったという真田さん。

過去の不作の年に起きた出来事を思い出します。

ユズ農家 真田猛さん
「道路までお客さんが溢れっしもたもんで、あーこれは危険やって(時間より前に)店をオープンしてしたら、尚更ユズが足りんようになって。なおお客さんに迷惑かけたときもあった」

不作の要因は

真田さんによりますと、この時の不作は春先の低温で葉が落ちたり、強風で実が落下することが原因だということです。

一方、ことしは――

ユズ農家 真田猛さん
「ことしはどういうわけながか…。ひょっとしたら2年連続暑いですわね。そのせいぐらいしか。本来ユズは寒いところではなく南の方のものですから、暑さには強いはずなのに」

ことしの不作が猛暑の影響かどうかはわからないそうですが、少なくとも暑さがユズの色付きを遅らせているのは間違いないそうです。

真田さんによりますと、こうした状況はほかの生産者でも同じですが、庄川ゆずまつりで販売する分のユズはなんとか確保できそうだということです。

ユズ農家 真田猛さん
「ここに来てもらえる人に、ほんとは1個でも2個でもあげたいくらいなんやけど、なかなかあげれんがが残念やけど。ことしはそれなりに、めいいっぱい採って、なんとか祭りに並べられるようにしたい」

庄川ゆずまつりは11月9日から2日間、庄川水記念公園で開催されます。

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