広島県庄原市東城町で、江戸時代から続く伝統の祭りが、4日にありました。山あいの街を華やかに彩る「お通り」です。
秋の東城のまちを、華やかな衣装を来た人たちがゆっくりと歩きます。「お通り」は、400年を越える歴史があるといわれる伝統行事です。
お母さんに着付けをしてもらっているのは、東城中学校3年の稲垣琴音さん。幼稚園の時以来9年ぶりに「お通り」に参加します。
稲垣琴音さん「母衣が中学校3年生までで、最後のチャンスだったので。(衣装を身にまとってみて気持ちはどう?)緊張しますし、ついに母衣が出来るようになったのがうれしいのもあります。最後まで疲れた姿を見せないように頑張って歩こうと思います」
サザンカで飾られた重さが20キロもある「母衣」を背負うと、いよいよ出発です。
行列の先頭を歩く琴音さんの姉・彩音さんも、去年、母衣を務めました。
「母衣」は、武将たちが敵の矢から身を守るために、背負っていました。今では、子どもの成長を願う衣装になっています。
出発した直後、琴音さんの母衣に乗せられた「大将人形」が、倒れそうになってしまいます。
衣装を建て直し、ふたたび「母衣」の列に戻った琴音さん…。中学生から小学生まで、18人の母衣の先頭を歩きます。
全国でも珍しい華やかな祭りを写真に収めようと、たくさんの人たちが東城を訪れます。
稲垣琴音さん「めっちゃ疲れた。(一番前歩くからか、写真に撮られる回数めちゃくちゃ多かったね)ちょっと恥ずかしいし、でも撮ってくれるのはちょっとうれしいです」
姉・彩音さん「普段より凜としていてとても素敵だなと思いました」
母・尚美さん「こっちは見とくしか出来ないのでヒヤヒヤすることもありますけど、すごい立派になってくれたと思います」
琴音さんは、およそ2時間のルートを歩ききることができました。
稲垣琴音さん「結構疲れて、だけど歩ききれたのがうれしかったです。(お通りは)東城以外からも来たりしたり東城町の人たちも楽しめると思うので、続いてほしいです」
静かな城下町がにぎわう秋の1日…。「お通り」は次の世代へと受け継がれていきます。
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