採算の悪化が続いているローカル線。
JRは、昨年度1キロあたりの1日平均の乗客数が2000人未満の利用客が少ない路線と区間を発表しました。
福島県内では、常磐線、水郡線、只見線、磐越西線、磐越東線の5路線12区間が対象になっています。
このうち、2020年に全線再開した常磐線のいわき―原ノ町間は、新たに公表の対象になり、1日あたりの平均乗客数は1731人で、100円の収入を得るのに534円かかる形となり、区間別の赤字では、県内で最も多い31億2300万円にのぼっています。
また、2022年に運転再開した只見線の会津川口ー只見間は、1日あたりの平均乗客数は103人で、100円の収入を得るのに1100円かかっています。
また、磐越西線の野沢ー新潟・津川間は1日平均の乗客が102人で県内で最も少なく、100円の収入を得るのに9738円かかっています。
JR東日本によりますと、新型コロナの5類移行で、コロナ前の利用水準に戻りつつあるものの、慢性的な赤字が続いているとしています。
「常磐もの堪能列車」に記念スタンプ 利用増へアイデアは?
県内の各路線では、現在官民一体となって利活用協議会が立ち上がり、利用を進めてもらおうと、さまざまなアイデアが進められています。
例えば、常磐線では、12月に車内で「常磐もの」を使用した料理と、浜通りの食材を使用したデザートをコース仕立てで楽しめるイベントを企画しています。料理長がメニューについて説明し、地元の人が、おいしい食べ方などを紹介するそうです。
また、同じく赤字路線の水郡線では、全線開通90周年を企画して、12月にかけて福島県と茨城県でイベントを行います。県内では、沿線14駅分の記念入場券を販売しているほか、塙町では水郡線のジオラマの展示や鉄道トークショーなどが開かれます。
磐越西線では、全線開通110周年を記念して、11月1日から対象の駅を巡るスタンプラリーを実施しています。
廃止を避けるために、沿線の市町村では今後どのような対策がとれるのか、利用拡大につながる継続的な取り組みが必要です。
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