福島県飯館村出身の俳優の女性が劇作家に「性行為を強要された」などとして、損害賠償を求めている裁判は、10月28日、結審しました。原告の女性は、性行為について「ショックで凍りついた」「一切同意はしていない」などと主張した一方、被告の劇作家は「性行為はしていない」と否定していて、両者の主張は真っ向から対立しています。
原告と被告が証言台に
この裁判は、飯館村出身の俳優・大内彩加さんが、所属する劇団の劇作家・谷賢一さんから「性行為を強要された」などとして、550万円の損害賠償などを求めているものです。
東京地裁で開かれている裁判は、23年1月の第1回口頭弁論以降は非公開で行われていましたが、10月28日の裁判は公開で行われ、大内さんと谷さんがそれぞれ証言台に立ちました。
自身の弁護人から当時の心境について問われた大内さんは、「ショックで凍り付いて動けなくなった」と話し、性行為について「一切同意なんてしていません」と主張しました。
一方、谷さんは「同意のない性行為はあり得ません」と述べ、当時は「酩酊していて、性行為は不可能だった」と述べました。また、服用していた薬の影響で、行為自体ができる状況ではなかったとしています。
証拠のLINEとGPS 食い違う両者の主張
そのほか、裁判では、原告が証拠として提出した、同じ劇団の団員に送ったLINEの送信時刻について、被告のGPSの時刻と2時間乖離があるとして、被告が「原告の証言はあやふやで、信ぴょう性を欠く」などと主張しています。
これに対し、原告は「被害当時からは長い時間が経過していて、2時間程度の記憶違いは誤差の範囲」と反論しています。
両者の主張が真っ向から対立した裁判は、10月28日で結審し、判決は来年1月27日に言い渡されます。
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