静岡県の沼津市内を走る路線バスが乗客1人を下ろし忘れたまま、車庫に止めた車内に一晩、閉じ込めていたことが分かりました。監査を実施した国土交通省中部運輸局は10月30日付で路線バス1両の車両使用停止と文書警告の行政処分を行いました。
行政処分を受けたのは、静岡県沼津市・三島市・裾野市を中心に路線バスを運行する「富士急シティバス」です。中部運輸局によりますと、4月19日午後8時半ごろ、終点に到着し、沼津市東椎路の本社営業所に路線バスを回送した際、乗務員が車内点検を怠り、高齢の女性1人が乗っていることに気づかぬまま、車庫に止め、翌朝5時20分に出勤してきた乗務員が発見するまで女性を車内に閉じ込めていました。
女性は認知症があり、車両の左側中ほどの乗車口の後ろに座っていました。富士急シティバスは、女性の体調に異常が無いことを確認したあと警察に通報し、駆け付けた女性の家族にお詫びしたということです。
報告を受けた中部運輸局は5月に監査を実施し、運転者に対する指導監督が不適切だったなど、道路運送法違反が確認されたとして、10月30日付で、路線バス1両の10日間使用停止と文書警告の行政処分を出しました。
富士急シティバスは「乗車されたお客様はじめ、関係者の皆様に深くお詫びし申し上げます。今回の事態を厳粛に受け止め、従業員一同、再発防止に全力を挙げ、信頼回復に努めて参ります」としています。
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