28日の衆議院選挙。北海道内20議席のうち野党が過半数を上回る13議席を獲得。15年ぶりに大きな地殻変動が起きました。

立憲民主党 野田佳彦代表(9日 国会)
「再調査もしないで、うやむやにして早く解散すると。裏金隠し解散じゃありませんか」

自民党派閥の裏金事件で政治不信を招く中、解散総選挙に打って出た石破総理。

しかし結果は、与党の過半数割れ。総理の決断は「凶」と出ました。

 石破茂総理
「今般の選挙は『政治改革をさらに進めなさい』とそういうご指摘と受け止めている」

北海道内12の小選挙区では立憲民主党が9議席を獲得した一方、自民党は3議席と公示前から半減しました。

政治とカネの問題に揺れた北海道5区を制した立憲民主党の池田真紀さん。

28日朝は、自作の当選ボードと小さなカボチャを持って駅前に立ちました。

 立憲民主党 池田真紀氏
「裏金ということと同時に、古い政治からの脱却というところの、ようやくスタートラインに立てたんじゃないかと思う」

一方、990万円の不記載で党から比例との重複立候補が認められなかった自民党の和田義明氏は…。

 自民党 和田義明氏
「今まで以上に現場を見て、徹底した現場主義で、まずは現場と向き合うことをやっていきたい」

前回約700票差と肉薄した北海道4区。

立憲民主党の大築紅葉さんが制し、自民党道連会長の中村裕之さんは辛くも比例での復活当選となりました。

 立憲民主党 大築紅葉氏
「北海道の皆さんには立憲民主党に託していただいた思いがあるので、ここから気を引き締めて、戦っていきたいと思う」

自民党 中村裕之氏
「自民党執行部の責任は大きいと思う。特に2000万円の問題は、非常にブレーキがかかった」

 自公連立の象徴、北海道10区では5期目を目指した公明党の稲津久さんが落選。

タッグを組む自民党の渡辺孝一さんが比例名簿12位と事実上の戦力外通告を受けたことも影響しました。

 自民党 渡辺孝一氏
「(落選したら)ただの人以下だって言われるからな。無職になっちゃったな」

自民党が盤石の基盤を築いてきた北海道12区。

武部新さんは前回から約1万9千票減らして、薄氷の勝利。

一方、比例復活で初当選した立憲民主党の川原田英世さんはこの笑顔です。

 立憲民主党 川原田英世氏
「まずは皆さんに報告をちゃんとして。家族に会ったら少しは実感湧くのかな」

野党が躍進した衆院選。政治の世界ではこれから「政局」という大きな波が待ち受けています。


■北海道小選挙区・比例区の議席
北海道内の小選挙区1区から12区の当選者、ご覧の方々です。12議席のうち9議席を立憲民主党が締めました。

続いて比例区の当選者です。立憲は小選挙区で敗れた3人全員が復活当選です。国民民主は比例区で初めて議席を獲得しました。

小選挙区と比例区をあわせて前回選挙と比較すると、立憲が大幅に議席を増やした一方で、与党の自民と公明は、そろって議席を減らしました。

 北海道道内の選挙区の結果について、北海道文教大学 国際学部 宮本融教授は、
「全国の集約されたかたちが道内の選挙区で、もともと道内では自民党はそんなに強くない。道政が社会党政権だったりとか、地域の主要な人達がもともとの社会党と民主党というところに集まっていた。そういう意味では、自民党は地方の建設業の人達を中心とするものを引きずっているというところではあった」と説明します。

■無効票が大幅に増えた理由
北海道内の投票率は56・15%で、衆院選では戦後最低でした。

そして、気になる数字…無効になった票の割合が2・80%と前回より大幅に増えました。

特に、裏金問題の影響が注目された5区と9区で、この無効になった票の割合が高かったということです。

この数字について、北海道文教大学 国際学部 宮本融教授は、
「自民党に潜在的には支持をしていて安定感を求めているにもかかわらず、今回は自民党は嫌だなと言う人が、棄権するのか他の政党を書くのかと悩んだ結果、『白いまま入れちゃえ』ということなんだろうと思う」と分析しています。

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