去年4月に努力義務化された自転車のヘルメット着用ですが、宮崎県内の着用率は決して高くないのが現状です。
こうした中、着用率アップを目指そうと、県内の高校生がさまざまな取り組みを始めています。
自転車が関わる事故の4分の1は高校生
去年4月から努力義務化された自転車のヘルメットの着用。
今年7月、警察庁がすべての都道府県でヘルメットの着用率を調べたところ、トップは愛媛県のおよそ70%でした。
これに対して、宮崎県はわずか8.1%で全国平均の17%を下回り、全国ワースト5位となりました。
(宮崎県警察本部交通企画課 脇屋敷 義明 課長補佐)
「ヘルメット着用の重要性だとか、非着用の危険性が県民の方にまだまだ浸透していないと感じている。(自転車関与事故の)4分の1は高校生が事故に遭っているという現状がある」
日南・串間の高校生が立ち上がる
こうした状況を危惧し、立ち上がったのは日南市と串間市の4つの高校の生徒たちです。
この日は着用率アップに向け、各学校から生徒会メンバーおよそ40人が集まり、現状や各校の取り組みについて意見を交わしました。
(福島高校の生徒会)
「ヘルメットを持っている、持っていないにかかわらず、8割の生徒がヘルメットを着用せずに自転車を使用しています」
(日南振徳高校の生徒会)
「着用の重要性は理解しつつも、実際には行動に移せていないということが分かります」
議題に上がったのは「ヘルメット着用の校則化」
ヘルメットの着用があまり浸透していない中、議題に上がったのは「ヘルメット着用の校則化」。
4校ではヘルメット着用を校則として定めておらず、必ず着用する「ヘルメットデー」を設けるなどしていますが、一歩踏み込んだ対策として校則化も必要ではないかと話し合われました。
(議論の様子)「努力義務だから、学校で義務化しても何か違う」
(日南警察署 重永陽介交通課長)
「みんなの若い高校生の力で、まず、学校を変えて、そして、地域を変えて、悲惨な事故をなくしていきたいというふうにみんなが考えていただきたいのが本音」
自ら着用の意味を理解してほしい 校則化は見送りに
議論の結果、自ら着用の意味を理解してほしいという思いから、今回は校則化を見送ることに。
今後、生徒会を中心にヘルメット着用の重要性を呼びかける方針となりました。
その一環として、さっそく4校の生徒会が行ったのは動画の制作。
日南市役所と協力してヘルメットの着用を呼びかける動画を撮影しました。
(動画撮影中の日南学園の生徒)
「だから、ヘルメットをかぶって、頭のけがを防ごうね」
また、この動画を作るにあたり、ヘルメットのメーカーも生徒たちの思いを受け、商品を貸し出しました。
(オージーケーカブト 小川裕輔さん)
「(高校生の)自主的な取り組みに感銘を受けたのと、まだまだ全国的に自転車のヘルメットの着用率というのは、5人に1人程度かぶっているくらいなので、そういったところで着用率が上がるように、そういった取り組みをされているというのに協力させてもらった」
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