27日に投開票を迎える衆議院選挙。自民党が議席を守り続けてきた島根2区では、前職に、新人女性2人が挑む三つ巴の戦いとなっています。

島根2区に立候補しているのは届け出順に、
立憲民主党の新人・大塚聡子さん57歳、
自民党の前職・高見康裕さん44歳、
共産党の新人・亀谷優子さん38歳、
の3人です。

息子の大学進学をきっかけに今年4月に出雲市に移住した大塚さん。市の教育センターで働く中で感じた『福祉と教育』の課題解決などを訴えています。

立憲・新 大塚聡子候補の演説
「私、国政あんまり出たくありませんでした。ただお父さんもお母さんも本当に疲れています。しょっぱい人生の方々、人間の辛さ苦しみ、何も分かっていない。ただ党利党略、私利私欲のために私たち国民の税金をあらぬ方向に使っているあの方たち。私は他のことは何もわかりません、でもあの方たちに子供家庭福祉は絶対にさせたくはありません」

知名度不足に加え、初めて経験する選挙活動。しかし次第に、1人1人と握手を交わしながらじっくりと話を聞く独自のスタイルを確立し、無党派層への浸透を図っています。

出雲市役所前での演説には、前の職場の同僚など多くの人が駆け付け、後半戦で盛り返しを見せています。

立憲・新 大塚聡子候補
「皆さんのやり方をセオリー通りに踏襲しようと思ってたんですけど、皆さんのお話をお伺いするところで信頼を勝ち得ていく、別に今回の結果はどうでもいいので自分のやり方をやるべきだって思いました」

演説については、夜な夜な動画を見て勉強するなど練習に余念がなく、広い選挙区を最後まで駆け回ります。

故・竹下亘さんの後継として2021年の衆院選で初当選した出雲市出身の高見さんは、竹下さんから引き継いだ『地方創生』を掲げ再選を狙います。

自民・前 高見康裕候補の演説
「まさに日本の安全食糧保障を支えているこうした中山間地域の暮らし、これを国がしっかり応援するような仕組みでなければ本当の地方創生は実現しません。国と県と市がみんなで一丸となってチームを組んで現場の皆さんの声を国に届けるから、だから初めて国を動かせるんです。これがバラバラだったら絶対国は相手にしません。こうしたチームで地域の声、中山間地域の声を国に反映して地方を守れるのは絶対に我々自民党しかできません」

党の組織力を生かした選挙戦を展開。自民党・公明党の支持層を中心に、各地の演説には多くの支援者が集まっています。

地方での所得向上の実現、都市部からの人の流れを作るといった政策を訴え、着実な票の積み重ねを図ります。

自民・前 高見康裕候補
「少しずつご理解頂いてるんじゃないかと思います。やはり特に中山間地域に行けば行くほど、島根を守ってほしいと、次の世代に残したいと、そういう切実な声を頂いています」

1期目から法務大臣政務官などを務めたほか、地元との連携した仕事ぶりについても首長らから評価されていて、政治とカネをめぐる問題での「逆風」吹き飛ばしを狙います。

就職をきっかけに2008年に島根県へやってきた亀谷さんは、大田市の市議会議員2期目を務めていましたが、自民党政治を終わらせたいと今回の選挙に立候補しました。

共産・新 亀谷優子候補の演説
「今回の解散総選挙で自民党に厳しい審判を下して、本当に皆さんが希望を持てる、お1人お1人の経済状況をよくして暮らしを温めてここでも十分生活できるっていう保証を国が率先して行うことで日本中を元気にしていきたいと思っています。今回は国政への初挑戦ということで、これまで市民の皆さんのために活動してきたものを今度は島根県民全体へ、日本の皆さんの暮らしを良くするという立場で、是非とも国政に押し上げて頂きたいと思います」

平和な国づくり、賃金の引き上げ、ジェンダー平等などを掲げる選挙戦。国政初挑戦ではありますが、ここまでの戦いには手応えも感じていると話します。

共産・新 亀谷優子候補
「まわりの支援者の方に聞くと、こんなに反応が良かったことないという風に言われたので、県西部で。とにかく元気に楽しく明るく心をこめて演説します」

公示日前日に染めた金髪をトレードマークに楽しく明るい選挙戦を心がけてきた亀谷さん。無党派層の取り込みを図り今週は大票田の出雲市で3日間かけて支援を訴えました。

JNNでは22日から23日にかけて、有権者に対しインターネット調査を行い、取材を加味して選挙戦終盤の情勢を分析しました。

その結果、島根2区では現在、高見さんが優位。大塚さんが追う展開で、亀谷さんは厳しい戦いとなっています。

高見さんは自民党・公明党の支持層を固め、無党派層への浸透を図ります。

大塚さんは立憲民主党の支持層を固め。無党派層への浸透を図ります。

亀谷さんは共産党支持層を固めていますが、そのほかへの支持の広がりが課題です。

しかし、およそ4割の人が投票態度を明らかにしておらず、情勢は変わる可能性があります。

注目の衆議院選挙・投開票日は27日・日曜です。

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