衆院選の終盤情勢について記者とお伝えします。

(キャスター)
選挙戦は残すところきょう25日とあす26日の2日間です。解散から投票まで18日の「短期決戦」、最新の状況を教えてください。

(記者)
選挙戦が終盤を迎える中、自民党が非公認とした候補が代表を務める政党支部に2000万円を振り込んでいたことが明らかになりました。

立憲民主党の野田代表は「事実上の公認だ」と非難していて、23日の鹿児島市の演説では自民党の対応を厳しく批判しました。

(立憲民主党 野田佳彦代表)「自民党は非公認の人たちに厳しい対応をしたと自慢していた。2000万円も金を出していたとは驚き。こんなに許せないことはない。許しちゃいけない。裏金議員だけではなくて、今回は自民党全体にペナルティーを与えなければならない」

森山さんは24日、自民党幹事長の立場として「党のPRのためのお金で非公認の候補のために使われることは一切ない」と強調しました。

(自民党 森山裕幹事長)「公認しなかった人たちに公認料を払ったことに報道されたが、そんなことは一切ない。それが公認でない支部長のためにお金が使われることは一切ない。一部の現象だけをとらえて政権交代だ、政権交代だと言ってあおることだけが政治であってはならない」

(キャスター)
今回の衆院選では「政治とカネ」が争点の一つとなっていますが、自民党への逆風は情勢に影響しているのでしょうか。

(記者)
自民党の石破総裁は自民党と公明党で過半数の233議席を獲得することを目標にしていますが、JNNが22日から23日にかけて行った終盤情勢調査を分析した結果、自民党が大幅に議席を減らし、自公で過半数を割り込む可能性もあることが分かりました。

(キャスター)
それでは県内4つの選挙区のそれぞれの戦いを振り返ります。

鹿児島1区

まずは鹿児島1区です。

(昇拓真候補 参政・新)「次の世代に貧しい日本を残す、恥知らずな政治はやめよう」

参政党新人の昇拓真さんは鹿児島1区の候補者では最年少という若さを強調し、党の政策を訴えながら既成政党への批判票の受け皿も念頭に支持拡大を図っています。

(宮路拓馬候補 自民・前)「自民党の古い体質をしっかりと変えていく責任がある」

4期目を目指す自民党前職の宮路拓馬さんは党所属の地方議員や推薦を受ける公明党などと連携した組織戦を展開し、票の獲得に力を入れています。

(川内博史候補 立憲・比例前(7))「自民党の政治は限界だと思う。自民党に大反省をしてもらわないといけない」

8期目を目指す立憲民主党比例九州前職の川内博史さんは、党所属の地方議員らと連携して各地で街頭演説をこなすなどし、選挙区での議席獲得を目指しています。

(記者)
MBCでは22日と23日、有権者に対してインターネット調査を行い、独自取材を加味して選挙戦終盤の情勢を分析しました。

鹿児島1区では川内さんがやや先行しているとみられ、宮路さんは与党の支持を少しずつ広げながら川内さんと激しく競り合い、これを昇さんが追う展開となっています。

ただ、回答者の3割は投票先を決めていないうえ、鹿児島1区は支持政党を持たない無党派層が多い地域ともいわれ、その動向が選挙戦の結果を左右することになりそうです。

鹿児島2区

続いて鹿児島2区です。

(矢竹ゆかり候補 参政・新)「私たち参政党は今回、減税と積極財政を一番にやっていきたいと考えている」

参政党新人の矢竹ゆかりさんは参政党が全国の選挙区に85人擁立した候補者の1人で、衆院選での議席獲得を目指し、比例票の掘り起こしを図っています。

(松崎真琴候補 共産・新)「日本共産党を伸ばしてもらい、誰もが人間らしく豊かに生きていける社会をつくっていこう」

共産党新人の松崎真琴さんは鹿児島県内では唯一の共産党の公認候補で、街頭演説では「政治とカネ」の問題を積極的に取り上げ、政権批判票の取り込みを目指しています。

(三反園訓候補 無・前(1))「皆さまがたが頼り。三反園訓を助けてください。一生懸命働いて恩を返す」

2期目を目指す無所属前職の三反園訓さんは、知事時代の知名度と1期3年間の地元回りで培った人脈を生かし、「草の根」の戦いで票の上積みを狙っています。

(辻健太郎候補 維新・新)「未来のスタートをここ明治維新発祥の地である鹿児島からやろう」

日本維新の会新人の辻健太郎さんは鹿児島での国政選挙挑戦は初めてで、関西を地盤とする日本維新の会の、地方での党勢拡大を図りつつ、幅広い支持層の獲得も狙っています。

(保岡宏武候補 自民・比例前(1))「仕事をする保岡宏武、仕事をするなら保岡宏武と皆さま方の力で再び国政にあげてもらうよう心からお願いしたい」

2期目を目指す自民党比例九州前職の保岡宏武さんは選挙区での初勝利を目標とし、党所属の地方議員らと組織戦を展開して票固めに奔走しています。

(記者)
鹿児島2区は三反園さんが与野党の支持層に浸透を図りながら先行しているとみられ、保岡さんとの差を広げつつあるとみられます。

この2人を辻さん、松崎さん、矢竹さんが追う展開です。有権者の4割が暮らす鹿児島市南部の谷山地区での得票が勝敗のカギを握るとみられます。

▶衆院選27日投開票「政治とカネ」など巡り与野党攻防激化 鹿児島4選挙区の終盤情勢は?(2)に続く

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