講談社の漫画雑誌の作中で、普天間基地の辺野古移設に関する抗議活動への参加者が日当で雇われていると表現された問題で、漫画の作者が防衛省の広報アドバイザーを務めていることがわかりました。

当該作品が掲載された漫画雑誌「モーニング」

この問題は、講談社の人気マンガ「社外取締役 島耕作」で普天間基地の辺野古移設に関する抗議活動について、登場キャラクターが「日当で雇われた」と発言する描写が掲載されたもので、作者の弘兼憲史さんと講談社は「軽率な判断だった」などとして謝罪しています。

その後の取材で、弘兼さんは去年、防衛省に広報のアドバイスをする「防衛省広報アドバイザー」に就任していたことがわかりました。

防衛省は去年6月、SNSの「X」を通じて就任を発表し、翌月には弘兼さんと防衛産業などに関する意見交換をしたと投稿しています。

日米安保論などが専門の沖縄国際大学の前泊博盛教授は、「選挙の時期に防衛省のアドバイザーによって取りあげられたことに意図的なものを感じざるを得ない」と指摘しています。

防衛省は選定理由について「防衛問題などに関する広報活動においてより効果的な活動が期待されるとして任命した」と説明している一方、弘兼さんに謝礼金を支払った実績はなく、普天間基地の辺野古移設事業に関する説明や意見交換をしたこともないとしています。

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