妻を殺害した罪に問われている元県議会議員の裁判員裁判で22日、弁護側の証人として出廷した科学鑑定を行う民間会社の社長は、検察側の被告の車に関する鑑定が「あまりにも先入観に引っ張られた結果」だと指摘しました。
塩尻市の元県議丸山大輔被告50歳は、3年前の9月、自宅を兼ねた酒蔵の事務所で、妻の希美(のぞみ)さん当時47歳を殺害した罪に問われ、裁判で無罪を訴えています。
検察側は、被告が議員会館のある長野市から自宅のある塩尻市まで車で移動して犯行に及んだと主張。
事件前日の夜から当日、長野市から塩尻市までの間に6つの防犯カメラに映った車が被告の車かどうかが争点の一つです。
この日の証人尋問には、科学鑑定などを請け負う、民間会社の社長が弁護側の証人として出廷しました。
社長は弁護側の質問に対し、専門家が防犯カメラに映った車のへこみやキズが丸山被告の車のものと一致するとした鑑定結果に対し、6箇所の防犯カメラのうち、5箇所の映像が不鮮明であり、比較の対象とすること自体が困難と指摘。
その上で、同じ車両だという前提で共通点を見つけて合わせようとする専門家の鑑定に対し、「あまりにも先入観に引っ張られた鑑定結果」だと反論しました。
また、自ら行った1箇所の防犯カメラの画像と、被告の車の写真を重ね合わせて鑑定した結果を示し、「車両の同一性は低い」と判断したと証言しました。
一方、検察側からは「議員会館近くの防犯カメラに映った車にキズが見えるか」と質問されると、社長は「あると思われる」と答えたものの、丸山被告の車のキズの位置と「高さが違う」として一致はしていないとしました。
裁判では、争点の一つとなっている「被告人の所在・移動の状況」の証人尋問が終わり、23日には、検察と弁護側がそれぞれの主張を述べることになっています。
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