第50回衆議院議員総選挙

新潟県内で唯一、前職3人が激突する新潟4区。
東京電力・柏崎刈羽原子力発電所が立地し、大半が原発30km圏内に位置するこの選挙区では、再稼働に対する姿勢も問われます。

有権者の6割以上を占める大票田の長岡市に、柏崎市・刈羽村・見附市・小千谷市・出雲崎町がエリアに入る新潟4区に立候補したのは、届け出順に、無所属の前職・泉田裕彦さん、自民党の前職・鷲尾英一郎さん、立憲民主党の前職・米山隆一さんの3人です。

前回は自民党の公認で旧新潟5区から出馬し、比例復活当選した泉田さん。
党の公認が得られなかった今回の選挙は、自民党籍を持ちながら無所属で立候補し、草の根の運動を繰り広げています。

「今回の選挙、大きな争点のひとつが裏金問題を中心とする政治改革ということになります。お金の影響で変わる政治、これでいいのかどうか。これをですね、ぜひ県民の皆さんに聞いてみたいということで、今回立候補させていただきました」

2年前には、地元県議からの“裏金”を要求されたとして刑事告発し、演説では必ず『裏金政治の根絶』を訴えます。

「私実際にですね、裏金要求を経験させられたということなので、これをきれいにするにはどうしたらいいか、どこが問題なのか、しっかり訴えていきたいなというふうに思います」

泉田さんは16日、柏崎市をメインに選挙区をくまなく回りました。

「少子化が進んでいます。高齢化も進んでいます。さらに大都市との格差があります。加えて原子力防災。今のままだと十分な避難ができません。防災力の強化をしなければいけないと思います」

演説は1か所数分。
大きな集会ではなく、辻立ちを中心にして声を届けています。

「街頭演説の目標は、1日本当は70回なんだけど、まあ50回くらいかな」

地元の名店では、ハードな戦いに欠かせないエネルギーを補給します。

「ぷりっぷり!サクサク!ボリュームがすごいですねこれ。おいしい!」

選挙戦では、最低賃金の全国統一化を掲げて都市と地方の所得格差是正を訴え、3期目の当選を目指します。

「皆さんがお子さんと一緒に誇りを持って、未来永劫生まれた場所でちゃんと住んでいけるような、均衡ある均衡のとれた国土の発展を目指してまいりたいと思います」

7期目を目指す鷲尾さんは、民主党・民進党などを経て2019年に自民党に移り、今回は「自民公認」として初の小選挙区の戦いに挑んでいます。

「政治業界においてはまだ私は若いほうなんです。だからこれから何度でもチャレンジをして、皆様方に改革を断行した姿というのをしっかりとお見せしたい。自民党の中からしっかりと変わるんだということをお見せをしたいと思っています」

演説では政治とカネの問題に時間を割き、使い道が不透明な政策活動費の廃止を掲げます。

「あの…念のために申し上げますが、私は裏金議員ではございません。“裏金ゼロ″議員でございます」

長く旧新潟2区を地盤としてきた鷲尾さんにとって、区割り変更によりおよそ7割が新たな有権者となりました。
支援者からもらったお守りを身に着け、日々地域を歩いてきたと鷲尾さんは話しています。

「正直新しい選挙区割りになって一番地域を歩いているのは私だと思うので、それは自信を持って言えますので、それを糧にやっていきたいと思いますね」

のぞかせる自信は、こんな数字にも裏打ちされているそうです。

「16kgやせたんですよ。2023年の2月に支部長になって、4月の統一地方選挙が終わってから、ダイエットしようって、決意してから16kg…」

そして選挙戦の支えにもなっているのは、自民党の大物応援です。
17日は小泉進次郎選対委員長が、16日には菅義偉副総裁が駆けつけました。

【自民党 小泉進次郎選対委員長】
「人のために汗をかける鷲尾英一郎さんが、1票差でいいですから勝たせていただけますように。どうかともに…」

【鷲尾英一郎候補】
「政治の本質は、政治の使命は何たるか、あるべき政治は何か。これを皆さんと一緒に、世間の皆様に、それをもう一度思い起こさせる、そんな戦いをしたいわけであります、皆さん」

対する野党候補は、立憲民主党新潟県連の幹事長を務める米山さんです。
前回は旧新潟5区から出馬し、国政5度目の挑戦で初当選しました。

「日々の買い物をされたら、物価上がって大変でしょう。そりゃ大変ですよ。2020年から、わずか4年前から比べて、もう10%近く物価が上がっています。でも実質賃金、追いつきません」

物価高・社会保障・雇用制度…と、演説で第一に訴えるのは有権者の暮らしに直結した問題です。

選挙戦には前回同様に、妻で作家の室井佑月さんと二人三脚で臨みます。
並んで握手するツーショットは、すっかりおなじみとなりました。

― お守り・必需品は?
【米山隆一候補】「いや~、全然ないです。本当にそういうのは…」
【室井佑月さん】「私でしょ!私!」
【米山隆一候補】「ああ…、そうです。あとはのど飴」

束の間のランチタイムには、タスキをかけたまま“カツ”をほおばり…かと思えば、パソコンを開いてSNSを更新します。
米山さんのエックスのアカウントには、新潟県内の国会議員でトップとなる14万人のフォロワーがいます。

「ここで発信していないと、今最後に選んでもらえない可能性はあると思いますよね。昔だったら候補者を選ぶのに配布物とかを見たと思うんですけど、今は本当にSNSを見ると思いますよ。何なら私、冗談で言っていますけど、誰に投票したらいいかを“チャットGPT”に聞く人だっているでしょうっていうことですからね」

公示日の翌日には、立憲民主党の野田佳彦代表が応援に入り、新潟から政権交代の実現を訴えました。

【立憲民主党 野田佳彦代表】
「十数年に一回、政権がとれるかもしれないチャンス。とりきれなきゃいけないと、取らなきゃいけないと思っているんです。そのためにもぜひ米山さん、小選挙区で勝たせてください」

【米山隆一候補】
「皆さんの力があれば政治は変えられる。政治が変われば、明日を変えられる。子どもたちが希望を持って学び、世界に羽ばたける、そんな未来をつくれるんです」

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