任期満了に伴う飯田市の市長選挙は20日に投票が行われます。

飯田市長選挙に立候補しているのは届け出順に、
新人で会社役員の新井信一郎(あらい・しんいちろう)さん・53歳、
新人で会社役員の熊谷章文(くまがい・あきふみ)さん・72歳、
現職で2期目を目指す佐藤健(さとう・たけし)さん・57歳のいずれも無所属の3人です。


1期目の現職に新人2人が挑む三つ巴の飯田市長選挙。

リニア中央新幹線の開業を見据え、市内に建設される長野県駅を中心にしたまちづくりを争点に論戦が繰り広げられています。

新井信一郎さん:
「夢を語れる、そして夢を実現できる飯田市にならないと世界の皆さんに受け入れられないんですよ。そのための単なる道具がリニアじゃないですか。本物のわくわくを形にしましょうよ」

新人で会社役員の新井信一郎さん。

ゴミ袋の無償化や、ご当地ナンバー見直しといった政策の中で、一番力を入れて訴えるのがリニア駅前の開発計画です。

2034年以降に開業がずれ込んだリニア中央新幹線の長野県駅について、市は新たな市街地開発は優先せず、木製の大型の屋根を整備した交流広場や駐車場などを設け、自然環境に配慮した空間にするといった案をまとめています。

新井さんはこれに対し「商業施設やホテルなど民間の活力を積極的に投入し、経済を活性化させるべき」などと反対の姿勢を示しています。

新井さん:
「単なる公園的な駅がいいのか、きちんと開発をした駅機能を持たせたものがいいのか。早く言えば、どっちがいいのか選ぶ選挙と皆さんご理解ください」

2005年から飯田市議を18年間務め、「全国若手市議会議員の会」の会長を担った実績も強調します。

新井さん:
「いわゆる官僚さん的なお話ではなくて、民間に、いわゆる市民、県民に寄り添った、そういった政治家の皆さん方の声がダイレクトに私いただけますので、そのあたりは絶対的な強みと、はい、信じております」

熊谷章文さん:
「大都市の生活圏として、南信州の未来を作ります。誰もが暮らしたい、活力あるまち、そして自然環境保全地域として、人と動植物の共生を実現します」

新人で会社役員の熊谷章文さん。

リニアの開通を人口増加のチャンスととらえ、在宅勤務や2拠点生活を推奨し、移住を増やす都市計画を進めると強調します。

週休3日制を活用した兼業農家の育成や、里山保全のための林業の人材育成など、自然環境の整備に力を入れるほか、指名競争入札の廃止など行政改革も推し進めると主張します。

熊谷さん:
「公務員の定年延長制度に合わせて、関連団体へのですね、天下りを全面的に廃止します。そして市民の信頼回復に努めます」

2度目の挑戦となる市長選。

前回は表立った選挙活動はしませんでしたが今回は選挙カーで市内をくまなく回り、1日10か所以上で街頭演説を行うなど精力的に活動しています。

熊谷さん:
「正義感が強いってよく言われます。私は自分が正義感が強いとはそんな感度を持ってなくてですね。私はとにかくおかしいと思ったことに対しては直していただきたい。常にそういう姿勢でやってきました」

佐藤健さん:
「これから求められるのは、確かなビジョンとそれを実現する実現力です。日本一住みたい街、この大きな大きな目標に向かって一歩一歩着実に皆さんとともに歩んでまいります」

2期目を目指す現職の佐藤健さん。

4年間の実績として信州大学の水素・水環境の実証タウンに選ばれたことや、セイコーエプソンのバイオマス発電所の建設を誘致したことなどをあげ、「環境を軸にしたまちづくりを進めたい」と訴えます。

佐藤さん:
「リニアは、100年に一度のチャンス。駅前にショッピングモールを設けるというようなスケールの小さな話で終わらせてはなりません。日本中から世界中から飯田が注目される、そんなまちづくりを進めていきたい」

南海トラフ地震では最大震度6強の揺れが想定され、防災対策推進地域に指定されている飯田市。

インフラの耐震化や長寿命化を計画的に推進するとしています。

佐藤さん:
「沿岸部に対しては支援基地にもならなければいけないかなというふうに思ってます。そういった意味でこの町が災害でやられてしまうということにならないように、社会インフラ、上下水道であったり道路であったりその強靭化を進めていく」

市政の「継続」かそれとも「刷新」か。

飯田市長選挙は20日に投票が行われ、即日開票されます。

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