北海道がアジアの宇宙の入口になるかもしれません。北海道大樹町から初めて、海外のロケット会社が打ち上げを計画していることがわかりました。

先週、帯広市で開かれた北海道宇宙サミット。

成長産業として期待される「宇宙ビジネス」のマッチングを目指して24の企業などがブースを構えました。

目玉のトークセッションに姿を見せたのは大樹町でのロケット打ち上げを表明している台湾系の「jtスペース」など海外ロケット会社の幹部たちです。

 会場の目立つ場所に展示されていたのが、打ち上げを目指しているロケットの実物大モデルです。全長は12メートル。ちょうど電信柱ぐらいの大きさです。

でもなぜ、北海道から打ち上げるのでしょうか?

 jtSPACE クリストファー・ライ 宇宙開発室長
「大樹町は、発射場としてすごく柔軟性がある。打ち上げの傾斜角とかいろいろなバリエーションがあるのが強み」

 計画では、台湾で製造した1段目と2段目のロケットを船で石狩市まで運びます。

これを組み立てて大樹町の北海道スペースポートへ運び、高度120キロまで打ち上げる計画です。

実現すれば、国内で初めて海外系のロケットが大樹町から打ち上げられることになります。

 jtSPACE クリストファー・ライ 宇宙開発室長
「外国の会社が日本に来て打ち上げをする歴史的な前例がないこと。打ち上げを期待している声が聞こえてくる。一歩一歩、丁寧に進めて打ち上げに臨みたい」

今、国土交通省や海上保安庁との調整を重ねていて「できるだけ早く打ち上げを実現したい」と話しています。

 一方、こちらは2019年に「民間」「単独」の開発ロケットで初めて宇宙に到達した大樹町のインターステラテクノロジズ。

10月、国内5か所目の新たな拠点となる帯広支社を立ち上げました。

 インターステラテクノロジズ 稲川貴大 CEO
「(新型ロケット)ZEROのタンク。実際にフライトに使うモデル。これが宇宙に行きます」

 インターステラ社は今、小型の人工衛星を搭載できる新型ロケット「ZERO」の打ち上げを目指しています。

1階は「ZERO」のエンジン組み立てが行われるほか部品の保管場所に使われます。

 インターステラテクノロジズ 稲川貴大 CEO
「『ZERO』の打ち上げは世の中のニーズや国からも求められているので、一日でも早く打ち上げることがわれわれの使命。一所懸命頑張っているところ」

2040年には、今の3倍の150兆円に成長するとされる宇宙産業。その成長を北海道に引き寄せる動きが加速しています。

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