まずはこちらのグラフをご覧ください。この先、必要になる介護職員の数です。
2022年度に全国で、およそ215万人いる介護職員は、2026年度には、およそ240万人、2040年度には、およそ272万人が必要とされていますが、このまま介護職員が増えなければ2040年には、およそ57万人が不足することが厚労省の推計でわかりました。
解消するためには、毎年3万2000人の人材確保が必要になります。
そんな人手不足に苦しむ介護現場を救うのは、筋肉かもしれません!
鍛え抜かれた肉体の男たち…。彼らのもう一つの顔。それは…。介護士です。
「日本一マッチョが多い介護の会社」で働く、人呼んで「マッチョ介護士」です。
ビジョナリー 丹羽悠介社長
「介護士のイメージが変わるといいな、そんなきっかけになれたらいいなとは思っている」
肉体的にも精神的にも、きついイメージがある介護の仕事。
慢性的な人手不足に苦しむ中、型破りな発想で人材確保に成功したマッチョだらけの介護施設を、もうひとホリします。
鈴木拓己
「失礼しまーす。おはようございます」「調子いい、きょう?」「よかったです」
札幌市南区にある障害者向けのグループホームです。
全国で介護施設を運営する名古屋市の企業が、北海道内初の事業所として7月に開設しました。
ここで働く、鈴木拓己(すずき・たくみ)さん。一見、普通の職員に見えますが…
ノイエサッポロ 鈴木拓己さん(31)
「あまり自信ないですけど、一応食事を管理しながら、ここまでやってきました」
実は「マッチョ介護士」の1人、グループホームで働きながら、トレーニングに励んでいます。
記者
「なぜこの会社に?」
ノイエサッポロ 鈴木拓己さん(31)
「もともと最初、私も普通にデイサービス。そこから病院の介護士になったけど(介護の会社に)いないですよね。そういう肉体を作り上げている人たちって、割と異色…。身体介護もあり、やっぱり体力を使うという理由もあるので、理にかなっているかというのが一番」
もともとは健康維持のために体を鍛え始めた鈴木さん。すっかり筋トレにハマり、9月はコンテストにも出場しました。
入居者
「丁寧な印象、やっぱり笑顔。もうムキムキ、すごかった」
この会社が「マッチョ人材」に注目する理由。それは業界のネガティブなイメージを払しょくし、若い人に興味を持ってもらうためです。
ビジョナリー丹羽悠介 社長
「シンプルに自分がかっこいいと思う人たちを集めて、かっこいい人たちに業界のイメージを変えてもらおうという発想につながっていった。自分の周りのかっこいい人たちというのを周りを見渡したときに見つけたのが、マッチョたちだったという流れ」
2018年には、フィットネスとボディービルの実業団を創設。すると、介護の経験がなくても筋トレに関心のある若者を中心に、人材が集まるようになり、いまでは月平均で90件ほどの応募が来るようになりました。鈴木さんもメンバー入りを目指す実業団。現在、20代の5人が活躍しています。
取材カメラの前に現れた、その筋肉は…
ビジョナリー実業団(セブンシーズ)立見北斗(たつみ・ほくと)さん(26)
「立見北斗です、よろしくお願いします」
立見(たつみ)さんは、全国の猛者たちが集まる大会でグランプリに輝くなど、国内トップレベルの実力の持ち主。普段は介護士の仕事で、自慢の筋肉を生かしています。
ビジョナリー実業団(セブンシーズ)立見北斗(たつみ・ほくと)さん(26)
「ビジョナリーでは、筋肉を社会貢献にというスローガンを掲げているけど、自分が好きでやって、トレーニングして鍛えた筋肉が社会貢献につながるのはすごくいいことだし、これ以上にないこと」
実業団のメンバーになれば、1日の勤務時間のうち、2時間を筋トレに充てることができ、プロテインやサプリメント代として月2万円が支給されます。また大会の遠征費なども会社が負担してくれるなど、選手にとっての環境が整っています。
この日、仕事を終えた鈴木さんが向かった先は、会社が提携するジム。福利厚生の一環で、無料で利用できます。
憧れの実業団入りと、理想の介護士を目指して、汗を流します。
ノイエサッポロ 鈴木拓己さん(31)
「目標として、かっこいい介護士になる。仕事姿かっこいい、立ち姿かっこいい、そういう介護士を目指せられたらいいなと」
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