現職の県議会議員が妻を殺害した罪で起訴された事件の裁判が16日から始まりました。
司法担当の小口記者に聞きます。
宮入キャスター:
裁判中の丸山被告はどのような様子でしたか。
小口記者:
罪状認否で、淡々と起訴内容を否認した丸山被告は、その後は、座って裁判を聞いていましたが、終始落ち着いた様子でした。
宮入キャスター:
直接の証拠がないとされる殺害した状況について、検察側はどのように主張したのでしょうか。
小口記者:
検察側は被害者の首を正面から圧迫して殺害したとしましたが、弁護側は鍵を持っている被告がブロック塀を越えて事務所に入る必要もなく、希美さんがどのような方法で殺害されたか分からないと第3者による犯行の可能性があるとしています。
検察が指摘した丸山被告の事件当日の動きを改めてみていきます。
事件の前日、9月28日です。
丸山被告は翌日に県議会での一般質問を控えていて、長野市内の議員会館に宿泊予定でした。
午後6時15分すぎから午後9時半ごろまでは、同僚議員と夕食を食べた後、議員会館で2次会をしていたといいます。
その後、「一般質問の原稿を作る」と同僚議員に伝えて、自室に戻り、ノートパソコンにUSBメモリを挿入しましたが、原稿のデータを開かず1文字も入力していませんでした。
実はこの時点で原稿はすでに完成していて、自室にいたというアリバイ工作を行ったと検察は指摘します。
その後、防犯カメラの映像などから、丸山被告は午後11時20分に車を運転して議員会館を出発。
翌日の午前1時44分ごろに自宅に到着したとされていますが、この間、大通りや高速道路にあるナンバーを読み取るシステムを避けて移動していたといいます。
午前2時台に妻を殺害し、午前3時4分に自宅を出て、午前5時7分に議員会館に戻ったとしています。
そして、前日の夜にUSBメモリを挿入して以降、初めて原稿のファイルを開いたものの、原稿を作っていたことを装ったと指摘しました。
宮入キャスター:
移動したことについて双方の主張は。
小口記者:
検察側は丸山被告の車と同じ車種で、傷やへこみの特徴がよく似た車が防犯カメラに映った場所や時間などから、移動した状況を割り出しました。
一方、弁護側は車両のナンバーを読み取ることはできず、丸山被告の車両であるとは言えないなどとして否定しています。
宮入キャスター:
今後の裁判は、長期間に及ぶということですが、どのように行われるのでしょうか。
小口記者:
裁判員裁判としては県内最長となる予備日を含め23日間の審理が行われます。
審理に加わる一般の裁判員がわかりやすいように、ポイントを4つの「テーマ」=争点ごと絞って、細かく行われる予定です。
4つのテーマはきょうから始まった〇丸山被告の所在・移動の状況。
その後は〇動機 〇現場の状況・痕跡 〇事件前後の丸山被告の言動と、これらの審理を経て、争点である丸山被告が犯人であるのか、そうでないのかを判断します。
17日から22日にかけては最初のテーマについての証人尋問が行われます。
判決は12月23日に言い渡されますが、その前には11月19日から2日間にわたって、丸山被告に対する被告人質問が行われることになっています。
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