投稿から2か月足らずで総再生回数198万回を記録。
いまなお、数字を伸ばしているある動画を特集します。


水に浮かべたネギの葉先を一本一本割って、土やごみが入っていないか丁寧に確認し…


チンゲンサイを、一枚一枚、根元からはがしてひたすら洗い続ける人たち。

実はこれ、長野市の給食センターがインスタグラムに投稿した、調理員による野菜の下ごしらえの動画です。

動画のナレーション:
「検収した野菜は、一枚一枚、一本一本、状態を確認しながら丁寧に洗浄します」

投稿から2か月足らずで、再生回数は198万回に!


コメント欄への書き込み:
「こんなにきれいに洗ってくれてたんだ!感謝しかない」
「水はとても冷たいでしょうに、本当に頭が下がります」
「毎日当たり前に届く一食は、こんなに大変だったと思うと感謝で涙が止まらない!」

400件近いコメントが寄せられています。

市内29の小中学校に向け、毎日1万食余りを作っている長野市の第四給食センター。

作業は朝8時前から。

白衣姿の調理員20人ほどが、手際よく野菜の下ごしらえをしています。

3槽洗いと呼ばれる学校給食法で定められた衛生管理の基本作業。


流水で満たした3つのシンクで、野菜を3回しっかり洗浄し、異物の混入を防ぎます。

この日は、コマツナを一本一本根元まで。

キャベツは一枚一枚はがして、隅々まで。

水温10度程の流水で丁寧に洗います。

その様子をタブレットで撮影する男性。

更に、スマートフォンを構えた女性も。

この2人こそ、インスタグラムに話題の投稿をし続けている、長野市保健給食課のSNSチームです。



長野市教委 保健給食課 塚田葵さん:
「見学通路からは、なかなか見られない、大量調理の豪快さや、衛生管理の緻密さ、そういったところを発信できたらいいなというところから始めさせて頂きました」
「自分が驚いたことは撮るようにしています」

インスタグラムの開設は、2023年5月。

1年間で220件余りを投稿しました。

人気メニュー、チキンカツができるまでの動画や…

大きなしゃもじを使って、2人1組で大鍋をかき混ぜる様子。


さらに、調理終了後の器具の清掃まで…。

普段、目にすることのできない、給食センターの裏側を発信し続けてきました。


そんな中で、大バズリしたのが野菜洗浄の動画。

長野市教委 保健給食課 塚田葵さん:
「いきなりとてつもなく伸びたという形ですね」
「(要因は)こちらとしてもよくわかっていない…(笑)」

1晩で再生数が数十万増えるという、異常事態に驚いたものの、全国各地から寄せられる調理員へのねぎらいの言葉は、モチベーションの向上に繋がっているといいます。

この日洗った野菜は、一度湯通ししてから、和え物に。

各学校のクラスごとの容器に、手際よく分配していきます。

汁物は、内部の温度を測り、火が完全に通ったことを確認してから完成です。

午前11時、出来立ての給食を積んだトラックが給食センターを出発。



それに合わせて、SNSチームの2人が訪れたのは…。

すぐ近くの柳原小学校。

子どもたちの給食時間を見学させてもらいます。

「5年2組です。いただきます」

給食室に入る前に、感謝の気持ちを込めた挨拶が…。

すかさず、カメラを回すSNSチーム。

配膳の様子も細かく撮影します。

先ほどできたばかりの献立は、ちらしずし、すまし汁、コロッケ、野菜のゆかり和え。

入学・進級のお祝いメニューです。


子どもたち:
「うまー、うますぎるー!」
コロッケどう?
「おいしかった!」
「もう食っちゃった!」

子どもたちの笑顔を狙います。

「めっちゃくちゃうまいです」
「感謝の気持ちで食べた」

長野市 保健給食課 小池さん:
「手間かけて作られたものが、こうして子どもたちの口の中に入って、笑顔になってくれるのはうれしいですね」

すかさず、子どもたちにインスタグラムの宣伝も…

「こうやってあげてるの」
「うわー」
「これこれ見てほしいのネギ一本一本手洗いしてるの」
「見たらもう、給食残せないやつだー」

撮影を終えたSNSチーム。

この日は特別に、空き教室を借りて、撮れた映像の確認と投稿内容の打ち合わせです。

「いいですね!」
「子どもたちの笑顔で食べている様子メインでいこうか」

撮影も、編集も、原稿作成も、タブレットを使って、自分たちで行います。

「丹精こめて作られた給食…」
「入学進級おめでとうみたいな」

材料費の高騰や、調理員の人材不足など、環境は厳しさを増す中、日々変わらず、安心安全な給食が子どもたちに届けられるまでを伝えたい。

塚田さん:
「(フォロワーは)長野市内の全児童生徒数を目標にしています~およそ3万人」


小池さん:
「給食ってここまで徹底されて安心安全な状態で届けられていると知ってもらいたい」

長野市給食センターの挑戦が続きます。

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